ドル/円、米金利急低下で150円割れ…FRB高官の発言に注目
東京市場のドル/円は、方向感に乏しい展開。仲値公示にかけて150.78円前後までやや強含みました。その後150.42円前後まで小緩みましたが、米長期金利の持ち直しを受けて下げ渋っています。
欧州市場に入ると、欧州中銀(ECB)の利下げの観測が強まり、来年中に計1.0%の利下げを完全に織り込んだことが伝わると、米長期金利が9月以来となる4.3%台へ急低下しました。ドル売り・円買いが進むと149.50円台まで軟化しました。
今夜は複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の講演が予定されています。FRBによる早期利下げ観測が浮上する中で、それぞれの発言に注目が集まりそうです。米長期金利が反応するようだとドル/円相場にも影響を及ぼしそうです。なお、経済指標としては米10月住宅着工件数に注目です。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線が上値抵抗となる中で売り圧力が強まると150円を割り込みました。また、RSIが50ラインを下抜けたため短期的に下落しやすい状況となっています。目先は11月3日の安値149.10円台が意識されそうです。仮に戻りが入り150.00円付近が上値抵抗になるようだと上値の重い状況が続きそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
11/17(金)
19:00 ユーロ圏10月消費者物価指数・改定値
22:00 ナーゲル独連銀総裁講演
22:10 ラムスデンBOE副総裁講演
22:30 米10月住宅着工件数
22:30 米10月建設許可件数
22:45 バーFRB副議長講演
22:45 コリンズ米ボストン連銀総裁講演
23:30 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演
23:45 グールズビー米シカゴ連銀総裁講演
24:00 チポローネECB専務理事講演
----- ムーディーズ イタリア格付け見直し
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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