株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっており、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
JPY(円)がネットロングに転換! JPY(円)買い介入への警戒と期待が交錯-FX個人投資家
1.一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
取引金額は低調
金融先物取引業協会が9月16日に公表した資料によると、2023年9月の店頭FXにおける取引金額は844兆円と、8月から約19.7%減少した。また、月末時点の未決済ポジション合計も前月末比6.6%減の約8.6兆円と振るわなかった。 通貨別では、JPY(円)売りポジションが18.5%減少したことが、未決済ポジションが減少した要因。
また、JPY(円)のネットポジションは5カ月ぶりの水準まで買い超に転じた。 取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順で、順位の変動はなかった。
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成。
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
2. 株式会社外為どっとコムFX投資家動向2023年9月
個人投資家、上昇トレンドで収益積み上げ
FX口座数が57万件を超える株式会社外為どっとコム協力の下、2023年9月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約57万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2023年9月1日6:00 ~ 2023年9月30日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
2-1.FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは61.7%、マイナスは38.2%となった。プラスは前月比2.9%ポイント改善し、今年に入り9カ月連続で収益を確保している。また、収益を確保した投資家の割合も昨年2月以来の高水準を記録した。USD/JPY(米ドル/円)が右肩上がりで推移したことで、個人投資家は収益を積み上げやすかったと考える。
2-2.通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)の順。
上位については順位の入れ替わりはなかったものの、GBP/USD(ポンド/米ドル)が順位を一つ上げ、ZAR/JPY (南アフリカランド/円)が後退した。
2-3.平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は3.9万通貨(39Lot)と前月から変わらず。今年序盤は縮小したものの、そこから緩やかに持ち直し横ばいで推移している。 USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり6,000円の必要保証金(9/13時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約23万4,000円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり400円の必要保証金(9/13時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は1万5,600円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
2-4.口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均106カ月(8年10カ月)と変わらなかった。直近2年の平均は99.7カ月(約8年4カ月)となる。
2-5.FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では40代が32%と最多で、次に50代、30代、60代と続いた。40代と50代が半数以上を占める状況は変わっていない。
2-6.FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、40代がトップとなり、続いて30代、20代、50代の順。今月は、 60代の口座開設者が増加したものの、それ以外は目立った傾向が見られなかった。
3.まとめ
2023年9月の為替市場は、米国債の需給の緩みなどから、米金利に上昇圧力が加わったほか、年内の米追加利上げ期待がUSD(米ドル)を押し上げた一方、JPY(円)は日銀の緩和修正期待が後半に後退したことから、USD/JPY(米ドル/円)は緩やかな右肩上がりの軌道となり、一時149.705円まで上昇した。
こうした中、個人投資家は本邦の政府・日銀によるJPY(円)買い介入への警戒心から、新たなJPY(円)売りポジションの構築を控え、これまで積み上げてきたJPY(円)売りポジションの解消を優先させた。その上、介入レベルの一つのポイントとみられる150円を前にして短期のJPY(円)買いポジション構築を狙う動きも散見された。これらが合わさった結果、JPY(円)買いポジションが増加したと考えられる。
もっとも、JPY(円)買いポジションの持ち越しコストが相対的に高いため、取引回数を減少させつつ、個人投資家はJPY(円)割安の場面で買って割高の場面で売るなど、短期で回転したもよう。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
「投資家調査」カテゴリー
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