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FXドル円見通し:介入警戒で鈍い動き、レンジ継続か 2023/10/13(金)志摩力男

配信期間が終了しました。
最新動画は【外為マーケットビュー】で公開しています。

動画配信期間:2023/10/13~2023/10/27

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

時間がない方向け「30秒ポイント要約」振り返り
・米CPIは予想を上回る
・徐々にインフレ率は落ち着く傾向にあるといえる
・ユーロドル、豪ドル、ポンドドルが綺麗に下落
・ドル円上昇も介入警戒で鈍い動き
足元の展望

ドル円
レンジの中に押し込まれる可能性
ユーロ円
158.50-65円前後を抜けられないとまた下方向か
ユーロドル
下げトレンド上抜けできず、MACDも売りサイン

 

目次

0:00 相場振り返り
1:59 ユーロドル分析
3:29 ドル円・ユーロ円分析
5:15 米金利・株価の動向
6:42 おしらせ

要約

昨日のニューヨーク市場で、米国の消費者物価指数(CPI)が発表になりました。対前月比予想が0.3%のところ0.4%、対前年同月比予想が3.6%のところ3.7%と、それぞれ0.1%ずつ高い数字でした。

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その前の日のPPIの数字が高めだったので、もしかしたら消費者物価指数も高めに出るのではないかっていう思惑はありましたけれども、それにしてもわずか0.1%なので、大枠で見ると徐々にインフレ率は落ち着く傾向にあると言えるとは思います。
しかしながら、このところのマーケットでは、FRB関係者が先月のFOMCでタカ派解釈され長期金利が上昇し、それを抑えるかのような発言が多く見られました。副議長であるジェファーソンさん、それからFRBのオピニオンリーダー的だったウォーラー理事、そういったところが、「長期金利が上昇するということは政策金利の引き締めにも相当するようなもので、長期金利が上がった場合それほど政策金利を引き締めなくてもいいんじゃないか」と。現状のままいくと、11月のFOMCは利上げなしという感じに解釈し得る発言が多かったので、FRB高官のハト派傾向の発言が続いたことで、アメリカの金利は低下し、それに合わせてドルが低下したっていうのがあります。
それが、昨日のCPIでちょっと反対方向に行ってしまいました。ドル円は発表前に149.10円前後だったのが149.80円前後で引けとなっております。

ユーロドルは急落しましたが、アメリカの金利低下にしたがって少し買い戻されました。もしかしたらこのまま上昇底入れっていうこともあるんじゃないかと、一部で期待してた筋もあるんですけれども、それが失望に終わったって感じですかね。

【ユーロ/ドル(EUR/USD) 15分足チャート】※2023年10月13日07:00頃
最新の為替チャート|ユーロ/ドル(EURUSD)|15分足」はこちら

トレンドラインが切れて、ストップロスで落ちております。1.0448ドルが安値で、高値が1.0640ドルぐらいだったんですけれども、現状のレベルは大体半値戻したところです。
もうちょっと大きな枠で見ますと、7月に1.1275ドルという高値をつけております。

【ユーロ/ドル(EUR/USD) 4時間足チャート】※2023年10月13日07:00頃

最新の為替チャート|ユーロ/ドル(EURUSD)|4時間足」はこちら

ここからの下げトレンドだったんですが、下げトレンドを上抜けしたんじゃないか、もしかしたら底入れなんじゃないかって感じだったんですけれども、トレンドを抜け切れなかったとも言えまして、ちょうどいい売り場だったのかもしれません。パラレル状のところを動いておりますので、もしここで頭を打ったとすれば次は×印の辺まで行くかもしれないなっていうチャート形状にはなっております。MACDなんかもですね、いい感じの売りサインを出しております。

ユーロドル、豪ドル、ポンドドル、それぞれ綺麗に落ちております。
その一方、ドル円は上昇はしましたけれども、介入もどきがこの間ありましたので、これが介入だったのかどうかっていうのがよくわからないところでもありますけども、ちょっと介入警戒があるので他の通貨ペアに比べて鈍かった。結果的にユーロ円などが下げてしまったというのがあります。このところクロス円は買われてたんですが、昨日で1円近く下落したので、またちょっとよくわからない状況になってしまったっていう感じでしょうか。

全体的にすごく難しいマーケットだと思っております。動きも緩慢ですし、ユーロ円なんかは高値が158.65円とか158.50円辺り、この辺が揃ってしまってるので、ここを抜けられないと、また下方向かもしれないっていう形にはなっております。

【ユーロ/円(EUR/JPY) 2時間足チャート】※2023年10月13日07:00頃

最新の為替チャート|ユーロ/円(EURJPY)|2時間足」はこちら

ドル円もいずれは上がってくとは思うんですけれども、一回介入警戒で急落があったので、150円に入ったら大きな投機筋がバーっと売ると「わ、介入じゃないか!?」って感じで落とすことは可能であると思うんですね。ですから、リバース・ノックアウト・オプション(RKO)といいますが、リバース・ノックアウトを付けてコールオプションを買うような動きが、結構みられておりますので、多分レンジの中に押し込まれるんじゃないかなとは思います。

【ドル/円(USD/JPY) 2時間足チャート】※2023年10月13日07:00頃

最新の為替チャート|ドル/円(USDJPY)|2時間足」はこちら

上のチャートに描かれた上限と下限の間でぐちゃぐちゃしたマーケットになるんじゃないかな、っていう恐れがあります。

金利の方向もよくわからなくなってきております。この間4.88%まで米国10年債行きましたけども、あそこがもしかしたらピークになるんじゃないかなっていう期待もあります。金利がトップを打つと、株は上がりやすい。このところの株価の上昇は、ガザ地区での紛争にもかかわらずですね、機械的に買ってるんじゃないかなとは思うんですけども、結構強い。ちょっと腑に落ちないところもあります。
イスラエルとパレスチナ・ガザ地区、ハマスの戦いはですね、パンドラの箱を開けてしまったようなところもあると思います。これがほかに波及すると大変なことになるんですが、ガザ地区内での限定的な戦闘に収まるのであれば、他のマーケットに及ぼす影響は限定的になるんじゃないかなっていう期待はあります。
ただ、ウクライナとロシアの戦争以来、国際政治にちょっとタガが外れてしまったところが感じられるので、どこか予期せぬところでまた火が付くようなことがあると、ちょっと混乱するので、そうなってくると楽観できないマーケットになるんじゃないかなとも思います。あんまり戦争が拡散しなければいいなっていう風に期待しております。

 
志摩力男氏96_130.jpg 志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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