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米金利低下でドル安・円安へ、ドル円は148円台前半~半ばを押し目買い 150円超えなら再び介入警戒感も【マット今井 実践FXトレードのつぼ】2023/10/12

本日(10/12)の米CPIで米利上げの行方を確認【マット今井 実践トレードのつぼ】

収録日:2023/10/12

元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。

時間がない方向け「30秒ポイント要約」振り返り
・米長期金利が低下へ転じてきている
 →ドル安・円安へ
・11月の米利上げ期待が急速にしぼむ
・ドル円が再浮上しきれないのは米金利の影響も
足元の展望
・本日(10/12)の米CPI
 →4%など強い数字が出てこない限り、11月のFOMCはほぼ金利据え置き
・次の焦点は12月FOMC
 →しばらくは方向感が見つけづらい
・日銀介入は10月31日に10月分の介入実績を発表
 →150円超えなら再び介入警戒感が強まってくる
トレード戦略
・基本的にはドル円の押し目買い
 →ターゲットは148円台前半~半ば

 

目次

0:00 相場振り返り
2:45 米金利低下による為替への影響
3:35 今後の注目材料
4:27 日銀介入の真意
4:54 足元のトレード戦略
5:33 おしらせ

要約

この1週間でマーケットの雰囲気が少し変化をしてきています。簡単に言うと、アメリカの長期金利がこれまでずっと上昇してきたのが、低下に転じてきているということですね。
先週末に発表になりました米雇用統計。米雇用統計の中にはいろんな指標があるんですけれども、その結果がまちまちの結果になってしまったということです。注目の非農業部門の就業者数は前月比33.6万人の増加ということで予想の22.7万人を大きく上回りました。この数字を見て一瞬金利も上がってドル高になるという展開もありましたが、失業率が予想よりもちょっと悪かったということもあり、結果的によく中身を見てみるとそんなに強い数字でもないということに途中から判断が変わっていったということです。
ここまでのアメリカの金利の上昇というのは、11月のFOMCに向けて利上げ期待が少し高まってきて、インフレが長引くんではないかというムードだったんですけれども、雇用統計の結果もあって急速に利上げ期待がしぼんでいます。CMEのFFレートの先物市場では、11月の利上げの可能性については10%程度しか織り込んでいません。つまり9割の人は金利は据え置かれると見るようになってきたということです。
これが一番の大きい原因で、10年物の国債の利回りでいいますと、一時期4.89%と16年ぶりの高値をつけていたんですけれども、そこからずっと下がってきて、今4.5%台まで下がってきました。

アメリカの金利が下がってくるとどうなるかというと、一つはドル安になるということです。これまでのドル高の流れがずっと続いていたんですが、それが一転したということです。顕著なのがユーロドルの動きです。ユーロドルは1.06ドル台でずっともみ合いをしていましたが、アメリカの金利が上がったことでユーロ安・ドル高が進んで1.04ドル台まで行って、いよいよ下方向かと僕も一瞬期待したんですけれども、その後失速をしまして、今また1.06ドル台に戻ってきています。元の木阿弥というやつですね、こういう傾向が起きている。
そしてもう一つは円安です。これはどういうメカニズムかといいますと、アメリカの金利が下がるということは企業業績にはプラスに働くので、株式市場にはプラスと言うことです。株価が上昇してくると、マーケット全体がリスクオンになって為替相場では金利差を背景とした円安が進みやすくなる。こういう流れになってくるので、足元のところではクロス円も円安方向に戻ってきています。
ドル円は、ドル安と円安両方から引っ張られています。そのため、どちらにも動かないで149円ぐらいのところで止まっているところです。
メキシコペソもやっぱりアメリカの金利に非常に大きく影響を受けました。金利が上昇している時はかなり売られていましたが、アメリカの金利が下がってきていることで、安心感でまたお金が戻っていて、今は8.3円台まで戻ってきているということです。

本日はアメリカの消費者物価指数(CPI)が発表になります。はっきり言って、とんでもなく強い数字、例えば4%とかそういう数字が出てこない限り、11月のFOMCはほぼ金利据え置きが決定的になるだろうなというふうに思いますので、一応その確認ということですね。
その後なんですけども、材料がなくなっていきますから、相場は膠着状態にどうしても入ってしまいそうだなということで、また難しそうな相場が続くと思います。
焦点はどこに移るかというと、今年最後のFOMCが12月にありますので、恐らくそこで最後もう一回利上げをするかどうかというところに関心が移っていくというふうに思います。そこまで少しタイムラグがありますから、しばらくは方向がなかなか見つけづらいということもあります。

日銀の介入については、真偽のほどがはっきりしていませんが、10月31日に10月分の介入の実績が発表されます。そこで、この間介入が行われたのかどうかということが確認できるので、そこまではちょっとはっきりしないかなと思いますけれども、150円を超えてくるようなことがあると、また介入警戒感が強まってくるということだと思います。

全体的に見るとかなり方向感が行って来いというか、ドル高になったんだけど戻ってきちゃったという感じなので、ここからは次の材料を見つける間はなかなか動きづらいということもありますので、トレードとしては非常にやりにくい状況なんですけれども、最近やっぱりドル円が下がっても戻ってくる、下がっても戻ってくるっていう展開が続いていますから、基本的にはドル円での押し目買い、ターゲットは148円台の前半あたりから半ばあたりぐらいを買えれば、というような感じで細かくトレードしていきたいという風に考えているところです。

 
株式会社マットキャピタルマネージメント 代表取締役
今井雅人
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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