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10月6日の米国雇用統計の予想と戦略「年内据置きを後押しするか、サービス分野が波乱要因」2023年10月号-By 外為どっとコム総研


執筆日時:2023年10月4日 16時50分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

10月6日の米国雇用統計の予想と戦略「年内据置きを後押しするか、サービス分野が波乱要因」2023年10月号-By 外為どっとコム総研

目次

1.はじめに

2023年10月6日(金)、日本時間21時30分に米国の9月雇用統計が発表されます。10月3日時点の「CMEのFedWatch ツール」から判断する、FRBの政策動向は「年内据置き」が優勢になっています。早ければ10月31日-11月1日のFOMCで、インフレに対する勝利宣言がなされる期待も燻っています。今回の雇用データがその形跡となるか着目されます。では振り返りからです。

2.前回のおさらい

・8月NFPは18.7万人増
・9月引き締め回避を後押し

9月1日、米労働省が発表した8月の非農業部門雇用者数(NFP)は18.7万人増と、市場予想(17.0万人)を上回りました。ただ、過去2カ月分が11.0万人下方修正されたほか、失業率は3.8%へ悪化し、時間給の伸びも前月比で0.2%へ鈍化するなど、NFPの好調さとは対照的な内容で、労働市場の減速を意識させる結果でした。製造業分野やヘルスケアが堅調だった一方で、人材派遣や運輸・倉庫の雇用の伸びは鈍化しました。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:米国労働省
NFP表

145.10円近辺だった米ドル/円は、結果を受けて144.445円まで下げたものの、米国の追加引き締め観測の後退による投資家センチメントの改善が下支えとなったほか、市場予想を上回るISM製造業景況指数も支援材料となり、結局、146.294円まで上昇しました。また、ダウ平均株価もFRBの追加利上げ観測の緩和を支えにして、前日比115.80ドル高い、34,837.71ドルで引けました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY30分チャート
米ドル/円 30分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

3.今回の見どころ

・一部に鈍化ペース減速示すデータも
・貯蓄率低下が雇用拡大のブレーキに
・UAW問題は来月か?

足許の米労働市場関連のデータは、強弱まちまち。求人大手インディードのReal-Time Job Posting Dataは低下基調が継続している一方、8月のJOLTS求人件数が急回復を示したほか、ISM製造業景気指数における雇用指数も4カ月ぶりに50を回復するなど、強弱まちまちのデータが並び判断は難しくなっています。
もっとも、JLOTS求人件数については、回答率が低いためデータへの信頼性を疑問視する声があるほか、製造業の雇用についても、中立水準へ戻っただけで、米ドル高やグローバルな景気減速が懸念される中、今後、雇用が急拡大するとは考えづらい状況です。

図表4.雇用関連データ

米雇用データ
出所:各種調査機関のデータを基に外為どっとコム総研作成

直近の底堅さを示すデータから単月では労働市場の緩和ペースが一時的に減速する可能性はあるものの、貯蓄率や可処分所得の伸び悩みなど家計が圧迫されつつある中で、労働市場の「緩やかな減速トレンド」は変わらないと考えます。

☆各項目のポイント
NFP(非農業部門雇用者数)
NFPについては、米国企業の76%超となるサービス分野の動向が注目され、特に雇用の先行性指標と見られる人材派遣サービスの動向が着目されます。夏の大型野外コンサート終了よるレジャー・イベント関連の雇用も気にかけたいところです。

また、直近の話題になったUAW(全米自動車労組)のストライキは、参加者が2.7万人程度まで膨れ上がっており、その影響が気になりますが、NFPの集計期間後のスト突入のため、今月に限れば影響は限定されると考えます。ただ、ストが長期化すれば来月以降の数字に影響が出てくる可能性があります。

失業率と時間給
失業率については9月FOMCで示された今年末の失業率見通しの3.7%~3.9%のレンジのどちらに近づくかがポイントになります。また、8月の時間給は、前月比、前年比ともに前月から低下し賃金上昇圧力が緩和していることを示しました。9月の時間給の結果が、FRBの自信を強める内容となるか注目されます。

図表5.失業率と時間給

米雇用データ
出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成

☆想定するシナリオ

ドル円の反応予想
※本指標発表後、5分の値幅(過去3カ月):平均51銭
出所:外為どっとコム総研

図表6.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2023年09 16.8 - 3.7 -
2023年08月 17.0 18.7 3.6 3.8
2023年07月 20.0 18.7 3.6 3.5
2023年06月 22.5 20.9 3.6 3.6
2023年05月 19.5 33.9 3.5 3.7
2023年04月 17.8 25.3 3.6 3.4

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2023年09月 0.3 - -
2023年08月 0.3 0.2 62.6
2023年07月 0.3 0.4 62.6
2023年06月 0.3 0.4 62.6
2023年05月 0.3 0.3 62.6
2023年04月 0.3 0.3 62.6

 

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2023年09 51.2 53.4
2023年08 48.5 54.7
2023年07月 44.4 50.7
2023年06月 48.1 53.1
2023年05月 51.4 49.2
2023年04月 50.2 50.8

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

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