シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング5週連続減少
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットロング大幅に減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート2週連続で増加】
9月19日時点で円のポジションは、ドルに対して10.2万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに増加したが、ショートの積み増し度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から約0.3万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、日米の金融政策会合を控えて様子見ムードが高まる中で147円台後半での推移となった。
米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策への思惑が交錯する中でも、投機筋の間では引き続き円安期待が優勢のようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング5週連続減少】
9月19日時点でユーロのポジションは、ドルに対して10.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたため、ネットロングは前週から約1.1万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、欧州中央銀行(ECB)が追加利上げを実施したものの、声明内容がハト派的と受け止められて一時1.0644ドル前後まで下落した。
ECBの利上げ終了への思惑から投機筋はユーロのロングポジションを落とし、ショートを積み増したようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング大幅に減少】
9月19日時点でポンドのポジションは、ドルに対して3.4万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に取り崩されたため、ネットロングは前週から1.2万枚減少した。
期間中のポンド/ドル相場は、英国経済の先行き不透明感が強まったことや、英中銀(BOE)の金融政策委員会(MPC)を控えた警戒感からポンド売りが先行し、一時1.2370ドル前後まで下落した。
こうした中、投機筋はポンドのロングポジションを大幅に減らしたが、ショートポジションを積み上げるには至らなかったようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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