ドル/円、再び年初来高値(148.45円)を更新も明日の日銀会合への警戒から伸び悩み
東京市場のドル/円は、底堅い展開。序盤に米長期金利が上昇する中でドル買いが進むと昨年11月3日以来となる148.45円前後まで上伸しました。その後は、松野官房長官による円安けん制を受けて伸び悩みましたが下値は限定的となっています。
欧州時間では、スイス中銀が予想外に政策金利の据え置きを決定。それに伴いドル/スイスフランが急騰したことでドル/円が上昇する場面もありましたが、上値が重く一時148.15円前後まで弱含みました。
本日、英中銀(BOE)が政策金利を発表します。市場では25bp(0.25%ポイント)利上げが予想されています。また、今夜はスウェーデン、スイス、ノルウェー、トルコの各中銀についても追加利上げがあると見られており、日銀と海外中銀の政策スタンスの違いが改めて意識されると円安主導でドル/円がさらに上伸する可能性もあるでしょう。ただし、明日には日銀金融政策決定会合が予定されており、一部にはマイナス金利解除のヒントが出るのではとの憶測もあるようで一方的に円安が進む展開にはなりにくいかもしれません。なお、今夜のNY市場では米新規失業保険申請件数が発表されます。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きでRSIが70ライン近辺で推移していることから上昇基調は継続と見れます。上値抵抗と意識されていた148.00円を終値で突破したことで上値模索の展開となることも考えられます。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
9/21(木)
20:00 トルコ中銀、政策金利
20:00☆英中銀、政策金利
20:00☆英MPC議事録
21:30 米4-6月期経常収支
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
----- 南ア中銀、政策金利
23:00 米8月中古住宅販売件数
23:00 米8月景気先行指数
23:00 ユーロ圏9月消費者信頼感・速報値
23:40 シュナーベルECB専務理事講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
今日の注目トピック
今夜20時にトルコ中銀が政策金利を発表します。市場予想は500bp(5.00%)利上げ政策金利を30.00%に引き上げると見られています。前回8月会合では、7.50%と大幅利上げを実施しており、トルコ中銀が金融正常化に向かう可能性があるとの期待が高まっています。そうした中で、今回の焦点は利上げ幅になるでしょう。市場予想の30.00%から上下にどれだけ乖離があるかによってトルコ相場への影響が変わってきそうです。
トルコ中銀ライブ配信は以下より 19時45分~
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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