ドル/円、年初来高値(147.87円前後)を窺う展開…米長期金利の動向に注目
東京市場のドル/円は、上値の重い展開。先日の植田日銀総裁によるマイナス金利解除を巡る発言と市場の解釈にギャップがあるとの観測報道が伝わると147.68円前後へと急伸しましたが、円売りは続かず147.30円台まで押し戻されました。
欧州市場に入ると、米長期金利が上昇に転じたことでドル買いが進むと一時147.82円前後まで上伸しました。
今夜は、米8月鉱工業生産や米9月ミシガン大消費者態度指数・速報値などの発表が予定されています。前日の米8月小売売上高などに続いて堅調な結果となればドル買いを強める可能性があるでしょう。そうした中で、ドル/円は上値抵抗として強く意識されている年初来高値(147.87円前後)を突破できるか注目が集まります。週末を控えて上値追及ムードは高まりにくいかもしれませんが、仮に反落しても146円台後半では下げ渋りそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線が上向きを維持しておりRSIが70ラインに向けて上昇していることから上昇基調が継続しており足元の基調の強さがうかがえます。10日線を支持に底堅い値動きが続く中で、年初来高値(147.87円前後)を突破し148円台に到達できるか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
9/15(金)
18:45☆ラガルドECB総裁講演
21:30 米9月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30☆米8月鉱工業生産
21:30 米8月設備稼働率
23:00☆米9月ミシガン大消費者態度指数・速報値
----- ユーロ圏財務相会合
----- EU財務相理事会
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
今日の注目トピック
本日、23時に発表される米9月ミシガン大消費者態度指数・速報値は市場予想が69.0と前回(69.5)から低下すると見られています。もっとも消費者インフレ期待に注目が集まっており、1年期待インフレ率は+3.5%、5-10年期待インフレ率+3.0%と前回(+3.5%、+3.0%)と同一の結果となると予想されています。仮にインフレが前回よりも加速するとの結果になればドル買いが強まる可能性がありますが、鈍化する場合はドル売りに傾くことも考えられますので発表後の値動きには注意しましょう。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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