オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・NY原油先物市場は反落。中国経済をめぐる懸念が重しとなり伸び悩んだ。終値は前営業日比-0.22ドルの1バレル=87.29ドル(9月11日)。
・9月5日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.10%で据え置きとなった。
・7月26日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+6.0%となり、前四半期(+7.0%)から鈍化した。8月30日に発表された豪7月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(前月+5.4%)だった。
・8月17日発表の豪7月雇用統計は、雇用者数が市場予想(1.50万人増)を大きく下回る1.46万人の減少だった。失業率は3.7%(前月:3.5%)へ悪化、労働参加率は66.7%となった。
今日のメインシナリオは
本邦長期金利と中国株価動向に注目集まる
先週末の讀賣新聞に掲載された植田総裁のインタビューで、総裁がマイナス金利の解除に言及したことから、市場で日銀の金融政策正常化の思惑から本邦長期金利が9年ぶりに0.722%まで上昇しています。そうしたことから、日銀が長期金利の上昇を抑えるため臨時の指値オペを実施すれば円安が強まることになりそうです。
また、11時頃に中国不動産開発大手の中国碧桂園がオンショア債6本の返済に関する3年延長案について債権者から承認を得たと事情に詳しい関係筋が明らかにしたことが伝わりました。そうしたことから中国株が堅調に推移しており豪ドルが買われる動きを見せました。中国経済の行方を表す株価動向に引き続き注目が集まります。
この先の個別相場変動
■中国株が上昇
⇒中国景気への警戒感が和らぐ
⇒豪ドル買われる
豪ドル円 最新チャート分析
豪ドル/円は、93.00~95.00円程度のレンジ推移が続いています。3本の移動平均線が密集しておりRSIが50ラインで横ばいであることからトレンドが出ていない状況だと分かります。そのため、引き続き94円を挟んだレンジ相場が続きそうです。
今後の注目経済指標・イベント
本邦長期金利動向
中国発のニュース
世界的な株価動向
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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