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ドル/円、146円台で底堅い…日銀総裁のマイナス金利解除を巡る発言で円高も持ち直す(NY市場の見通し)

ドル/円、146円台で底堅い…日銀総裁のマイナス金利解除を巡る発言で円高も持ち直す

東京市場のドル/円は軟調。植田日銀総裁のマイナス金利解除を巡る発言が週末に伝わったことを受けて約1円の下マドを空けて取引が始まりました。その後、本邦長期金利が2014年1月以来の0.7%台へ上昇するとさらに円買いが進み146円台を割り込みました。

欧州市場序盤では、上値が重く一時145.90円前後まで軟化しましたがすぐに146円台へ持ち直すなど底堅い推移となりました。その後、米長期金利が上昇する中で、ドル買いが強まると146.60円台まで値を戻しました。

今夜は、注目イベントが予定されていません。そうした中で、東京市場のドル/円は日銀の金融政策正常化を巡る思惑から軟調(円高基調)となっていましたが、じりじりと持ち直してきています。NY勢参入後にどのような値動きとなるか注目しましょう。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、20日移動平均線が下値支持となり底堅い推移となっています。10日線を上抜き147円台を回復すれば再び上値を模索する展開も考えられます。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

9/11(月)
21:00 メキシコ7月鉱工業生産
26:00 米3年債入札(440億ドル)
※☆は特に注目の材料/p>

経済指標・イベントの結果について

主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

経済指標カレンダー

今日の注目トピック

9日付けの読売新聞に掲載された植田総裁のインタビューで、「賃金と物価の好循環を見極めるためのデータが年内にも揃う可能性がある」とし「賃金上昇をともなう持続的な物価上昇に確信が持てる段階になれば、マイナス金利の解除も含めていろいろなオプションがある」と発言しました。そうしたことから本邦長期金利が上昇し円高に振れることとなりましたが、データ次第という事でまだマイナス金利が解除されると決まったわけではありません。物価上昇に賃金上昇が追いついていない現状があるためそこを見極めていく必要がありそうです。ちなみに、ブルームバーグが7月31日に実施したエコノミスト調査では、41人中38人(93%)のエコノミストが次回の政策変更は来年以降と予想。マイナス金利解除は、50%が24年、43%が25年以降を予想していたようです。

 
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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