本日のニューヨーク為替市場でドル円は、東京市場で意識された「日銀が早期に金融正常化に舵を切る可能性」に対する反応が注目される。読売新聞の単独インタビューで植田日銀総裁は、「マイナス金利政策の解除を含めいろいろなオプション(選択肢)がある」と述べた。これを受けて東京市場では円金利が上昇し、10年債利回りは9年8カ月ぶりとなる0.7%台まで水準を記録。為替も円高に振れ、ドル円は146円を割り込む場面があった。
もっとも、日銀の金融政策についてはあくまでも「思惑」の範囲であり、欧州序盤には円買いは一服している。来週末に日銀会合を控える中で、日銀総裁の発言を今後のヒントと米国勢が受けとめれば、再び円高に傾く場面もあるのだろう。ただこれまで米系ファンド勢は、「金融正常化の可能性」に飛びついては痛い目にあってきたと言われている。今回どのような戦略を取ってくるのか見定めたい。
なお今週は、週半ばに8月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。重要イベント前の本日は特段の経済指標も無く、来週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にしたブラックアウト期間にも入っており、金融当局者の発言も期待できない。日銀政策への思惑売買が一巡後は、為替は方向感が出づらくなりそうだ。
想定レンジ上限
・ドル円は本日ここまでの高値147.28円。
想定レンジ下限
・ドル円はピボットターニングポイント145.71円。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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