シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング2週連続大きく減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート僅かに減少】
9月5日時点で円のポジションは、ドルに対して9.7万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに大幅に増加したが、ロングの積み増し度合いがやや優勢だったことから、ネットショートは前週から約0.1万枚減少した。
期間中のドル/円相場は複数の金融機関による為替相場の見通しが、円安方向に修正が進んだことなどに伴う、「先高期待」から147円台に上伸したが、本邦政府日銀による「介入警戒」で伸び悩んだ。
そうした中で、投機筋の強弱感も対立しやすかったと見られ、ロング・ショートともにポジションが積み上がったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング2週連続大きく減少】
9月5日時点でユーロのポジションは、ドルに対して13.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングよりショートの積み増し度合いが大きかったため、ネットロングは前週から約1.0万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の景気減速の兆候を受けて、ECBの追加利上げ観測が後退したことなどから、約3カ月ぶり安値となる1.07ドル台割れ目前まで下落。
ECBの利上げ終了観測でユーロ弱気の投機筋が増加したと見られる一方、3カ月ぶり安値圏では下値拾いのユーロ買いに動く向きも少なからず存在したようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング小幅減少】
9月5日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートよりロングの取り崩し度合いが幾分大きかったことでネットロングは前週から約0.2万枚減少。
期間中のポンド/ドル相場は、米長期金利の上昇を材料にドルが全面的に上昇する中、1.27ドル台を維持出来ずに、6月中旬以来となる1.25ドル台前半まで下値を切り下げた。
ポンド自体には方向感が出にくかったことから、投機筋はひとまずポジションの整理に動いたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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