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ドル/円の見通しは?リスクオフの円買いの常識崩壊で何を買う?【ひろぴーの 実践!FXトレードストラテジー】

FXトレードストラテジー

個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。

作成日時:2023年8月23日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー

すでに皆さんもご存知だと思いますが、先週金曜日に突如、中国恒大集団(エバーグランデ)破産申請の報道が飛び込みました。
マーケットは軽くショックを受けて急落しました。
しかしながら円高相場も続かず、今週から何事もなかったかのように順調にドル/円は上昇を再開させております。
やはりリスクオフ資産としての地位を日本円は大きく落としているのでしょう。
合わせて2020-2021年の貿易収支ベースで計算しますと、日本の輸出先TOPは中国です。輸出の20%以上を中国が占めており、米国は15%前後となっております。
つまり、中国が不況に陥れば、日本も不況に陥りやすいというわけです。
これによりアジア通貨が売られる理由も頷けます。
人民元安につられて日本円も影響を受けているように感じます。

目次

▼介入を繰り返す人民元だが
▼ドル/円が145円を超えてからも安定している理由

介入を繰り返す人民元だが

TradingView

こちらはドル/人民元チャート日足です。
年初1ドルあたり、6.7元から半年かけて上昇し、昨年の高値である7.37元台に迫ってきております。10%程度の通貨安が進行したわけです。
日本円も同じく、130円程度から10%強円安となり、連れ安といった具合でしょうか。
先週後半から中国は人民元買い介入を実施しています。
ところどころ、大きく人民元が買い戻されるタイミングでレートを見ていると、オセアニアと日本円がやや強く推移する時があります。
しかしながら、欧州時間、NY時間に入りますと断続的なドル買いが収まらず、価格が戻っていく状況です。
ドルが強い理由としては、やはり長期金利の上昇でしょうか。
中国やサウジアラビアが米長期国債のポジションを大きく縮小傾向にあるため、この売却が米国債売りにつながっているのでしょう。
現在、BRICSでは原油取引における決済通貨にて、脱ドル化を進めております。
よって彼らは米国資本を売却し、別の資本に価値移転を進めているのでしょう。
この金利上昇がドルをサポートしている大きな要因の一つだと考えております。そしてこの流れはもうしばらく続くのではないでしょうか。

ドル/円が145円を超えてからも安定している理由

TradingView

ドル/円週足チャートになります。
145円のサポートラインは健在で、今週もそれ以上で推移をしていることから、エバーグランデ問題を含めたチャイナリスクで、「円買い」は世界に選択肢がないようです。
よって、一時的に円高が起こったものの、今回もリスクオフ=円買いというチョイスを捨てなければならず、むしろ、リスクオフの円売りをイメージしておいたほうが良いでしょう。
その理由として、スイス/円は今週に入ってから再び年初来高値を更新しました。
スイスフランは相変わらずしっかりと買われていることから、リスクオフ相場という認識は間違っていないと考えます。
ここからも、選択肢として日本円を選ばずにリスクオフ相場を戦うべきではないかと判断できます。
今週金曜日はパウエル議長のジャクソンホール講演です。
中立金利(自然利子率)が、少々話題に上がっており、従来のインフレ目標値は先進国の中では2.0%が一定の水準だったが、最近のIT化に伴い、経済をコントロールするための中立金利を引き上げる必要があるのではないかと米国では議論が活発になってきているようです。
今回のジャクソンホール講演では、この中立金利の話題に触れる可能性について報道もされており、2.0%→2.5%にするのではないかという市場予想も出ているぐらいです。
つまり、2.0%まで下落させる必要がなくなるというわけで、これを市場に印象操作目的で動いてくるのではないかと考えています。
よって、インフレ率が大きく下がり切らなくても問題がないという認識を世間に広めるのではないかと個人的には思います。これが正当化されるならば、政策金利の引き上げをさらに行う必要がなくなります。緩やかなインフレ退治に舵を切り、ソフトランディングを目指す口実としては良いでしょう。一見、ドル売りのようにも思えますが、その代わり、より長期戦を狙った戦略とも取れます。
ここから米国のインフレ率の鈍化をより緩慢にする作戦と考え、政策金利はこれ以上引き上げないものの、現状水準でより長引かせてじっくりとCPIコアを下げていく戦略を取れば、当然、長期金利が高水準でより常態化することになります。
これが10−30年債の利回りをこの1−2ヶ月大きく上昇させた要因でもあり、さらにドル/円が145円以上にも関わらず安定して推移している理由の一つではないかと考えています。
政策金利引き上げは打ち止めとなりますが、急いでインフレ退治よりも長期戦に持ち込んで辛抱強く金利を高い状態に維持するようなスタンスで発信が行われれば、これはドル高材料です。
実際にマーケットはどのように感じ取るかはわかりませんが、筆者的にはこの見通しでトレードを実行します。今日は漠然とした記事になってしまいまして恐縮ですが、金曜日の講演を待ちたいと思います。
個人的にはドル/円やスイス/円を中心に買いトレード中であることも付け加えておきます。

【ひろぴー氏出演動画】

 
ひろぴー
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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