株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっており、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
USD/JPY(米ドル/円)の取引活況! FX個人投資家、取引金額1000兆円台を回復
1.一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
店頭FX取引、JPY(円)ロングが縮小
金融先物取引業協会が8月15日に公表した資料によると、2023年7月の店頭FXにおける取引金額は1,194兆円と、6月から約21.3%増加した。USD/JPY(米ドル/円)の取引金額が前月比で27%増加したことが全体をけん引した。また、月末時点の未決済ポジション合計は約8.6兆円と、前月末比約3.7%と減少した。
6月に積み上がったJPY(円)ロングポジションが、7月前半から中旬にかけてJPY(円)が対USD(米ドル)で144円前半から137.229円まで急騰した局面で決済できたことが、このような結果につながったと推察できる。JPY(円)ロングは6月の4兆2633億円から3兆9440億円まで減少した。 取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順で、順位の変動はなかった。
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成。
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
2. 株式会社外為どっとコムFX投資家動向2023年7月
個人投資家は7カ月連続で収益を確保
FX口座数が56万件を超える株式会社外為どっとコム協力の下、2023年7月のFX投資家動向を調査した。
【調査概要】
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約56万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2023年7月3日7:00 ~ 2023年8月1日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出
(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
2-1.FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは52.6%、マイナスは47.3%となった。プラスは前月比3.6%ポイント低下した。収益の幅は縮小傾向にあるものの、今年に入り7カ月連続で収益を確保している。各国の金融政策の先行きが見通しづらい中で、個人投資家が適宜ポジション調整しながら利益を積み上げている様子が窺える。
2-2.通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・NZD/JPY(NZドル/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)の順。
5・6月と好調だったTRY/JPY(トルコリラ/円)が7位へ後退した一方で、MXN/JPY(メキシコペソ/円)が6位へ順位を上げた。絶対的な金利差(メキシコの政策金利は11.25%-8月時点)からメキシコペソ(MXN)とのキャリー取引が主要通貨で高まったのに対し、TRY(トルコリラ)は政策金利を17.50%へ引き上げたにもかかわらず、本格的な反発の兆しが見られないため、両通貨の強弱の差が出たと推量できる。
2-3.平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は3.9万通貨(39Lot)と前月から変わらず。今年序盤は縮小傾向が見られたものの、そこから緩やかに拡大へ転じている。 USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり5,800円の必要保証金(8/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約22万6,200円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり400円の必要保証金(8/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は1万5,600円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
2-4.口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均107カ月(8年11カ月)と、こちらも前月から変わらなかった。 昨年、JPY(円)が大幅下落したことや、24年ぶりに政府・日銀が為替介入を実施した影響から、個人投資家が為替への興味を刺激されていることが、口座開設期間の長期化の一因と考えられる。
2-5.FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では40代が32%と最多で、次に50代、30代、60代と続いた。40代と50代が相変わらず半数以上を占めている。
2-6.FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代・40代が並んでトップとなり、続いて20代、50代と続いた。今月は20代の口座開設者数が伸び、全体的に世代間の差が縮小した。
3.まとめ
2023年7月のFX取引は、USD/JPY(米ドル/円)が7円超の値幅を伴って上下動したため、収益機会に恵まれる格好になった個人投資家が積極的に取引したことで、業界全体で取引金額は4カ月ぶりに1000兆円台を回復した。
また、JPY(円)ロングポジションの減少により個人投資家のポジションコストや口座内容の改善が期待される中、足許のJPY(円)安相場も考え合わせると、8月も個人投資家が好パフォーマンスを残せている可能性は高そうである。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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