ドル/円、年初来高値145.86円を更新...政府の円安けん制、反応は限定的(NY市場の見通し)
東京市場のドル/円は、高値圏で推移。前日の海外市場で付けた約9カ月ぶりの高値に並ぶ145.58円前後で伸び悩んだ一方、鈴木財務相が「行き過ぎた動きには適切に対応」などと円安をけん制したことで反落するも145.32円前後にとどまるなど小幅なレンジ内での値動きとなりました。15時台に神田財務官からも「過度な変動は望ましくなく、高い緊張感を持って注視する」と円安をけん制する発言が伝わりましたが反応は限定的でした。
欧州市場では、米長期金利が9カ月ぶりの高水準へ上昇したことからドル買いが強まり145.86円前後まで上伸し年初来高値を更新しました。その後は、昨年9月の本邦当局による円買い介入レベルである145.91円前後を前に失速しており、145.53円前後まで押し戻されました。
今夜は、米7月小売売上高に注目が集まります。市場予想は前月比+0.4%で、自動車を除いた売上高も前月比+0.4%と、堅調な伸びが見込まれています。米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の動向を示す小売売上高が予想を上回ればドル/円は146円を視野に入れた展開となることも考えられます。反対に予想を下振れた際は145円台を保つことができるかに注目しましょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
8/15(火)
21:30☆カナダ7月消費者物価指数
21:30 カナダ6月製造業出荷
21:30☆米7月小売売上高
21:30 米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 米7月輸入物価指数
23:00 米8月NAHB住宅市場指数
23:00 米6月企業在庫
24:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
29:00 米6月証券投資
※☆は特に注目の材料
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今日の注目トピック
本日15時に英7月雇用統計が発表されました。失業保険申請件数は2.9万件と前回(2.57万件)から増加、4-6月失業率(ILO方式)が4.2%となり市場予想並びに前回(4.0%)から悪化という結果になりました。しかし、4-6月賃金が前年比+8.2%、ボーナスを除いた前年比+7.8%と前回(+7.3%、+7.4%)から伸びが加速したことでポンド買いが強まりました。ポンド/円は185.27円前後まで上伸し2015年12月ぶりの高値を更新しました。16日には英7月消費者物価指数(CPI)が発表されます。引き続きポンド相場にも注目が集まりそうです。
ポンド円 60分足チャート
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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