執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・日銀金融緩和維持の観測報道で円売り
・原油高・株高でペソ買い
・ブラジルレアルにペソつれ安
「足元のメキシコペソ/円は8.4円台で伸び悩む展開」
今月半ばに一時8.1円台へ下落していたペソ/円は、その後持ち直しの動きが強まり21日には8.389円前後へと反発。この日は、日銀が27-28日に開く金融政策決定会合で大規模緩和を維持するとの観測報道が伝わり円が急落しました。週明け24日には原油高や海外株高を受けて8.4円台を回復。翌25日には約3週間ぶりに8.418円前後まで上昇しました。しかし、この日の中南米市場ではインフレ鈍化を受けたブラジルレアルの下落につれて8.3円台に反落。26日の東京市場でも8.31~8.32円付近で推移するなど、ペソ相場は足元で上昇一服の動きとなっています。
「目先のメキシコペソ/円の注目ポイントはGDP」
今月31日にメキシコ4-6月期国内総生産(GDP)が発表されます。1-3月期(前期比+1.0%、前年比+3.7%)に続いて堅調な伸びとなるか注目です。なお、国際通貨基金(IMF)は25日に公表した世界経済見通し(WEO)で、メキシコの2023年のGDP成長率見通しを4月時点の+1.8%から+2.6%へ引き上げました。従来は高インフレや金利上昇の影響で前年の+3.0%から大きく減速すると見ていましたが、今回の改定でメキシコ経済は前年に続いて堅調を維持するとの見通しに修正した形です。こうした中、31日に発表される4-6月期GDPが予想以上の伸びとなれば、市場の一部にくすぶっているメキシコ中銀の「年内利下げ観測」が後退する可能性もあるでしょう。このところ伸び悩んでいるメキシコペソ相場にも少なからず影響が出る見通しです。
当面のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
8.150円~8.450円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
・7/31☆メキシコ4-6月期GDP
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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