目次
▼最新のドル円相場は…円高止まらず、5月17日以来の137.23円前後へ
▼ドル円相場をテクニカル分析で確認…下落圧力が強まり135円を視野に入れた展開か
▼ターニングポイント…まだ上昇基調の調整下落、134円前後から上昇に転じる⁉
▼来週のイベント
円高止まらず、5月17日以来の137.23円前後へ
今週のドル/円は、連日の円高・ドル安となり下落リスクを高めました。先週から見ると7営業日連続(本日も円高の場合)で円高が進行しています。背景には、米インフレの鈍化や日銀による大規模金融緩和の修正観測が影響しています。12日の米6月消費者物価指数(CPI)が前年比+3.0%と前回(+4.0%)から大幅に鈍化して2021年3月以来の低い伸びになったことや13日の米6月生産者物価指数(PPI)についても鈍化していたことを受けて年内あと1回の利上げでその後は打ち止めになるとの見方が広がったことからドル売りが強まりました。そうした中、今月7月27-28日に開催される日銀政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正観測が浮上し、円買いが強まりました。日本10年債利回りは3月10日以来の水準0.485%に上昇しています。こうしたことからドル/円は、5月17日以来の137.23円前後まで弱含みました。(執筆時点)
ドル円相場をテクニカル分析で確認…下落圧力が強まり135円を視野に入れた展開か
週足チャートを見ますと、13・26・52週移動平均線が上向きを維持していますが、145円台を高値に反落し、1月安値127.23円前後を起点にしたトレンドラインに向けて下落圧力が強まっています。また、RSIが70ラインから下落し50ラインを割る場面もあったことからも下落優位な状況と見てとれます。足元では52週線(137.41円前後)が下値支持と意識されていますが、下抜けて越週すると26週線が位置する135円台が視野に入ってきます。さらに下落した場合は、今年の安値から高値の上げ幅に対する61.8%押しの水準とトレンドラインが重なる134.00円付近は強い下値支持になると見ています。なお、52週線を支持に反発して13週線を上抜けるようだと上昇再開の可能性があります。
ターニングポイント…まだ上昇基調の調整下落、134円前後から上昇に転じる⁉
足元のドル/円は、145円台から137円台へ急速な円高となっていますが、下落基調ではなく上昇基調の調整下落の範囲内と見ています。来週は、大きく下落した反動から反発する可能性もあります。特に、134円台まで軟化して反発した際は中期目線の押し目買いポイントとなりそうです。トレードで重要なことは、トレードタイミングを待つことです。チャンスを逃さないようにポイントを見極めるなど準備を行っておきましょう。
来週の重要イベント
7/17◎G20財務相・中央銀行総裁会議(14日~18日)
7/17◎中国4-6月期GDP
7/17☆中国6月小売売上高
7/17☆中国6月鉱工業生産
7/17☆ラガルドECB総裁講演
7/17◎米7月ニューヨーク連銀製造業景気指数
7/18☆RBA議事録
7/18◎カナダ6月消費者物価指数
7/18☆米6月小売売上高
7/18☆米6月鉱工業生産
7/18◎バンク・オブ・アメリカ4-6月期決算
7/18◎モルガン・スタンレー4-6月期決算
7/19☆英6月消費者物価指数
7/19◎ユーロ圏6月消費者物価指数・改定値
7/19◎ゴールドマン・サックス4-6月期決算
7/20◎日本6月貿易統計
7/20☆豪6月雇用統計
7/20☆南ア中銀政策金利
7/20☆トルコ中銀政策金利
7/20☆米新規失業保険申請件数
7/21☆日本6月消費者物価指数
7/21◎英6月小売売上高
※☆は特に注目の材料
外為どっとコム総合研究所の研究員、宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)が、FX初心者の方にも分かりやすいよう、予想の値動きを示し、FX為替予想を行います。
💬宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい):Twitter
https://twitter.com/gaitamesk_ueha
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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