ドル/円、パウエルFRB議長の議会証言が142円台定着へのきっかけになるか!?
本日、東京市場のドル/円は、強含みの展開。早朝に141.20円台で下げ渋るとその後はドル買い・円売りが優勢となりました。午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大すると141.90円台まで上伸しています。
その後に発表された英5月消費者物価指数の前年比が+8.7％と市場予想（+8.4％）を上回り、コア・前年比については+7.1％と前回（+6.8％）をから伸びが加速したことで、ポンド全面高となりました。そうした中で、米長期金利が上昇するとドル/円は一時142.17円前後と本日高値を更新しました。
今夜は、パウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長の議会証言に注目が集まります。先週13-14日の会合ではFRBが年内に後2回の利上げを行うことが示唆されましたが、市場の織り込みは1回程度にとどまっています。そうした中で、パウエル議長の証言によって後2回の利上げが意識されるようですとドル買いに傾きそうです。年初来高値（142.25円）を巡る攻防にも注目しましょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/21（水）
21:30 カナダ4月小売売上高
22:45 シュナーベルECB専務理事、ナーゲル独連銀総裁講演
23:00☆パウエルFRB議長議会証言
25:25 グールズビー米シカゴ連銀総裁講演
26:00 米20年債入札(120億ドル)
6/22（木）
07:45 NZ5月貿易収支
※☆は特に注目の材料
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今日の注目トピック
明日22日、トルコにとっては重要な日になるかもしれません。22日20時に、トルコ中銀が政策金利を発表する予定です。エルドアン大統領は金利が低い方が良いと考えており、これまでトルコ中銀は高インフレの中で利下げを行ってきました。そのため、現在のインフレ率は約39％の高水準であり、トルコリラの価値が下落し続けています。しかし、新しく財務大臣とトルコ中銀総裁が就任し新体制となったことをきっかけに、インフレを抑制するため大幅な利上げを行うのではないかと予想されています。利上げ幅に関しては予想値が分かれており、市場では8.50％から20.00％程度まで引き上げられるのではないかと予測されています。実際に利上げが実施さることにより、トルコリラ相場の下落を止めることができるか注目されています。
※元外銀ディーラーの野村雅道氏がトルコ中銀発表後のリラ相場について分析したレポートをご覧ください。https://www.gaitame.com/media/entry/2023/06/21/113954
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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