ドル/円、139円台半ばで様子見ムード…米5月CPIに注目が集まる
本日、東京市場のドル/円は、139円台でもみ合う展開。仲値公示にかけて139.67円前後まで強含みましたが、米債利回りの低下が重しとなり139.33円前後まで小緩みました。その後は、日経平均株価が後場で1990年7月以来の33000円台を突破したことによるリスクオンのドル買い・円売りから139円台半ばで反発するなど底堅い展開となっています。
欧州市場に入ると、一時は139.64円前後まで上伸するも東京市場の高値139.67円前後を前に失速しました。以降は注目イベント米5月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて139.50円付近で方向感なく推移しています。
今夜は、米5月CPIに注目が集まります。市場では前年比+4.1%と前回(+4.9%)から鈍化すると予想しており、コアCPIも前年比+5.2%と前回(+5.5%)から小幅に鈍化すると見られています。この結果次第では、連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げに関する思惑に変化が生じる可能性もあるでしょう。市場は、明日のFOMCでは利上げを見送り、7月FOMCで25bp利上げを行うとの見方に傾いています。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、直近は138.30円-140.50円のレンジ内で推移しています。レンジ上限は年初来高値140.93円との見方もできます。基本的にはレンジ内での推移が続くと見ていますが、仮に上下どちらかにブレイクすると新たな動きが生じそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
6/13(火)
21:30☆米5月消費者物価指数
23:00☆ベイリーBOE総裁講演
24:00 ディングラ英MPC委員講演
26:00 米30年債入札(180億ドル)
----- イエレン米財務長官講演
※☆は特に注目の材料
今日の注目トピック
日経平均株価が1990年7月以来の33000円台に到達しました。前場では前日のNYダウ平均株価の値上がりの流れを受けて32900円台まで上値を拡大しています。後場に入ると、半導体関連株などが一段の値上がりを見せたことから33000円を突破しました。終値は前日比584円高の33018円となっています。
5月は日経平均株価の堅調推移からリスクオンのドル買い・円売りが強まるなど、ドル/円相場との相関性が高いように見えましたが、6月に入ってからはドル/円は横ばい推移となっています。日経平均株価が堅調なことがドル/円相場の底堅さに繋がっている可能性は考えられますが、今週は重要イベントを控えて売買が交錯しており方向感が定まらない展開となっています。現状はエネルギーを溜め込んでいる状況ともいえますので、新たな動きが発生する可能性がありそうです。
図:日経平均株価(白線)・ドル/円(青線) 出所:ブルームバーグ
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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