個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2023年5月10日13時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
今夜は米4月消費者物価指数（CPI）の発表です。
事前予想は
4月CPI（前年同月比）：+5.0%（前回：5.0%）
4月CPI（前月比）：+0.4%（前回：0.1%）
4月CPIコア（前年同月比）：+5.5%（前回：5.6%）
4月CPIコア（前月比）：+0.4%（前回：0.4%）
上記となっており、市場予想的には低下傾向から横ばいになりつつあります。
2022年3-4月にピークをつけた原油価格と現在を比較しますと、およそ30-35%割安で推移しております。
この影響から資源価格の影響を受けてもう少し低く出てもおかしくはないかな？といった印象です。CPIコアは相変らず高めですが、市場予想を下回れば当然ドル売りとなりやすいでしょう。
先週の米雇用統計の結果では、平均賃金上昇率が前年同月比ベースで+4.4%という結果でした。
インフレ率がこの賃金上昇率を下回ることができれば、悪いインフレ経済から脱却の可能性が出てきます。
目次
▼ドルインデックスは超重要！サポートラインで停滞中
▼上昇トレンドラインまであと1円
▼並行チャネルレンジブレイク待ち
ドルインデックスは超重要！サポートラインで停滞中
出所：TradingView
ドルインデックス週足です。
現在は101.50ドル近辺で推移しておりますが、重要サポートラインを101ドルに引くことができます。
昨年春頃から100ドルを突破してきたのですが、1年の高値圏推移を経て、間も無くサポートラインを割り込もうとしております。
CPIの低下とともにこのラインは割り込んでくるでしょう。それが今晩の可能性が高いと考えます。
米地銀連鎖破綻を避けるためには、なるべくはやく利下げに転じたいところでしょう。
しかしながら、インフレ率を大きく抑え込むことが課題となっているFRBですから、この明確な低迷が数字としてはっきりとしてきますと、FRBメンバーも利下げについて口を開くようになってくると考えます。
個人的には94.70ドル付近はフィボナッチとサポートラインが引けるクラスターポイントと見ています。
この水準まで下落する場合、ドル/円は円高方向に10円程度の影響が出てくるでしょう。
上昇トレンドラインまであと1円
出所：TradingView
ドル/円4時間足です。
現在は135円で推移しており、今週前半はかなりの小動きとなっております。
上下70銭程度と極めて狭いレンジ相場です。
135円のオプションの影響が強いのでしょうか？
今晩のCPIで全て走り出すと考えます。
個人的には、CPIが上振れた場合、利下げが遠のくのでドル/円が買われると思いますが、その場合、米地銀株も再び下落を始めると予想できます。
よって、最終的に円買いの可能性がありそうです。結果的には、CPIが市場予想を上回る場合、クロス円ショートをチョイスすると良さそうです。
逆にCPIが順調に低下し、市場予想を下回った場合は、素直に利下げが意識されますので、ドル/円の売り、クロス円はもしかしたら、買いのほうで反応するかもしれません。
一応、テクニカル的にはトレンドラインを割り込んだ方がトレードしやすいので、個人的にはドル/円下落方向を意識してトレードしていく予定で戦略を立てております。
並行チャネルレンジブレイク待ち
出所：TradingView
ドル/円1時間足に縮小します。上値の目処はフィボナッチリトレースメント50%戻しと考えて、135.65円を一つの目安に。戻り売りを狙うならこの手前からでしょうか？
また逆に並行チャネルレンジを下方向にブレイクしてくる場合は、134.65のサポートラインが最も重要なラインとなりそうです。ここを割り込みますと、134円前半に控えるトレンドラインに再度挑戦という形になりますので下落トレンド再開に期待が高まるのではないでしょうか。
今夜のCPIでドル/円やクロス円も大きく動き出すと予想します。合わせて、米地銀問題が再度蒸し返されますと、再び株価が下落、取り付け騒ぎ、倒産という流れが出てきてドル/円は下落しやすくなると考えます。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
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「低勝率型こそ1憶円への近道」（中編）
＜もくじ＞
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・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
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「はじめて話す 外為注文情報 活用法」（後編）
＜もくじ＞
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
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