ドル/円、急反発で134円台まで持ち直す
27日のドル/円は、日銀会合を控えて様子見ムード。
東京市場では、133円台でもみ合う展開でした。植田総裁の就任後初めての日銀金融政策決定会合が開催中で翌日の政策発表を見極めたいとのムードが漂う中、133.39~133.77円前後の狭いレンジで方向感なく推移しました。欧州市場に入ると133.94円前後まで上値を伸ばすも、時間外の米長期金利の低下により133円台前半まで押し戻されています。
NY市場で発表された米1-3月期国内総生産(GDP)・速報値が前期比年率+1.1%と市場予想(+1.9%)を下回り10-12月期(+2.6%)から減速したことにより、ドル/円は133.16円前後まで下落しました。しかし、同時に発表された米1-3月期コア個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)や米新規失業保険申請件数の好結果を受けて134円台へ急反発しました。
ドル/円、日銀 現状維持で円売り加速
本日、東京市場のドル/円は、強含みの展開となりました。日銀が金融緩和政策の現状維持を決定したことで円売りが強まり、135.12円前後まで上伸しました。
その後の植田日銀総裁の会見では、金融緩和を継続する姿勢を強調するなど、総裁の発言がハト派的だと受け止められ、円安が加速しました。また、一部報道で、米政府がファースト・リパブリック・バンクの救済協議を行うことが伝わったことも相まって、ドル円は136.18円前後まで上値を伸ばしています。
なお、ドル/円をテクニカル分析で見ると13・26・52週線を上抜けてきました。52週線(135.90円)を上抜けた状態で来週を迎えることになれば、137円を視野に入れた展開となりそうです。
ドル/円
この後の経済イベント
4/28(金)
21:00 独4月消費者物価指数・速報値
21:00 メキシコ1-3月期GDP・速報値
21:30 米1-3月期雇用コスト指数
21:30 米3月個人所得
21:30 米3月個人消費支出(PCE)
21:30 米3月PCEデフレーター
22:45 米4月シカゴ購買部協会景気指数
23:00 米4月ミシガン大消費者態度指数・確報値
今日の注目トピック
本日、日銀金融政策決定会合で現状維持が決定されました。これまでの植田総裁の会見から大方の予想通りの結果になりました。ただ、市場では発表前に「金融緩和に修正が入るのではないか」「サプライズがあるのではないか」、そのような観測も出てきました。その理由は、発表時間です。黒田前日銀総裁時の会合では、発表時刻が12時を過ぎると金融政策に何かしらの変更を行うことが多く、発表時間が遅いほど市場はサプライズ発表に警戒していました。さて、本日の発表時間は、なんと「13時」です。11時30分頃から発表を待たれていた方もいるのではないでしょうか。結果は現状維持でしたが緊張感のある日となりました。植田日銀総裁の会見の中で、発表時間について問われることがなかったのですが、次回以降も13時と決まった時間に発表になるのか、その点もぜひ教えてほしいと思った所存です。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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