ドル/円、日銀による早期の緩和修正観測後退で円売り加速
10日のドル円は、133円台で上値摸索の展開。
東京市場では、5・10日(ゴトー日)の仲値公示にかけてドル買いが強まり、後半には132.80円前後まで強含みましたが、欧州勢参入後は、日銀総裁就任会見への警戒からかドル売り調整が入り一時132.00円前後まで下落しました。
植田日銀総裁の会見では「現行のYCCの継続が適当」や「大規模金融緩和を現状では継続する」、「金利を大幅に上げる状況ではない」などの発言から早期の金融緩和修正観測が後退し円売りが加速しました。ドル/円は、133.87円前後まで上値を拡大しています。
ドル/円、米3月CPI待ちムードで伸び悩む
本日の東京市場のドル/円は弱含みの展開。前日の反動でドル売りが先行すると133円台前半へと軟化しました。その後、133.69円前後まで切り返す場面もありましたが、米長期金利が低下する中で133.23円前後まで再び下落しました。
欧州時間に入るとさらにドル売りが強まり、一時132.98円前後まで弱含んでいます。今夜は、重要イベントは予定されておらず、明日の米3月消費者物価指数(CPI)待ちのムードとなり引き続き上値の重い展開となりそうです。
なお、ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日移動平均線が20、80日線を上抜けたことから上昇の勢いが強まっていることがわかります。しかし、Wボトムのネックラインを抵抗に反落しており上値が重い展開となっています。133.00円前後が支持となり下げ渋っていますが、132.80円-133.00円の支持ゾーンを下抜けると売り圧力がより強まりそうです。
この後の経済イベント
4/11(火)
21:00 メキシコ2月鉱工業生産
26:00 米3年債入札(400億ドル)
26:30 グールズビー米シカゴ連銀総裁講演
4/12(水)
06:15 ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
07:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
08:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
今日の注目トピック
米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本の5大商社の株式保有比率を高めたことを明らかにしたことで、伊藤忠商事などの株価が大幅に上昇しています。また、日銀が新体制になったこともあり、今後、日本経済がさらに活発化し、賃金上昇を伴う物価上昇の安定化から我々の生活がより豊かになっていくことを期待しています。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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