オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・4月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.60%で据え置きとした。声明は前月から比べるとハト派的な印象となった。
・WTI原油価格は小幅続伸。2日に石油輸出国機構(OPEC)プラスが予想外の減産を発表したことが引き続き買い材料となった。一方で、イラク北部からの原油輸出が再開されたことが上値を抑えた。終値は前日比+0.29ドルの1バレル=80.71ドル(4月4日)。
・3月29日に発表された、豪2月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+6.8%となり、前月(+7.4%)からインフレは鈍化した。
・豪2月雇用統計は、雇用者数は市場予想(5万人増)を上回る6.46万人の増加となったほか、前月分も上方修正された。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%とともに前月から改善した(3月16日)。
今日のメインシナリオは
今日はRBNZ!NZの政策金利が豪ドルにも影響を及ぼす?
昨日、RBAは政策金利を3.60%で据え置いた。RBAは2022年5月から10会合連続で利上げを実施。この間に合計3.5%も政策金利を上昇させたわけだが、利上げサイクルは3月までで一時的に停止した。声明では前月と同じく「金融政策の更なる引き締めが必要になる可能性がある」と述べられていた。しかし声明文全体を見ると「月次インフレを含む様々な情報はインフレがピークに達したことを示唆」、「家計支出が大幅に減速しているという更なる証拠がある」などの文言が並び、インフレ鈍化に対する自信が見れてとれた。そのため、市場は「RBAはファイティングポーズは取っているが、ハト派的に傾いた」と受け止めている。
本日は豪州の隣国、ニュージーランド(NZ)の金融政策が発表される。
NZ準備銀行(RBNZ)はRBAと比べタカ派的な姿勢を取っているため、市場は0.25%の利上げを予想している。ただし、NZは今年の2月にハリケーンによる被害を受けたこともあり、RBNZの過剰な強気姿勢が経済の大幅な原則を招くとの懸念も存在している。仮にRBNZが今後の金融政策の方向性の変更を示唆した場合には、NZドルだけでなく、同じオセアニア通貨である豪ドルも連れ安となるのではないだろうか。
この先の個別相場変動
■RBNZがハト派に傾きつつあると市場が受け止める
⇒NZドルは売られる
⇒豪州は隣国であり、前日に利上げを一旦停止した
⇒豪ドルはNZドルに連れて売られる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
RBNZ政策金利と声明文
世界的な株価動向
原油価格動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに曇り空に太陽が覗く。7時に豪ドル/円のボリンジャーバンドとRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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