オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・WTI原油価格は続落。米国の金融引き締めがこれまでの予想以上になるとの懸念により、米景気悪化と原油需要減退への警戒感が高まっていることが引き続き材料視された。終値は前日比-0.92ドルの1バレル=77.58ドル(3月8日)。
・3月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.60%とした。声明は前月から比べるとタカ派度合いが弱まった。
・3月1日に発表された、豪1月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+7.4%となり、前月(+8.4%)からインフレは鈍化した。
・豪1月雇用統計は、雇用者数は市場予想(2万人増)に反して1.15万人の減少となったほか、前月分も2万人減に下方修正された。失業率は3.7%、労働参加率は66.5%とともに前月から悪化した(2月16日)。
今日のメインシナリオは
中国のインフレ鈍化が豪ドル支援材料?
本日は中国の2月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場はCPIが前年比+1.9%と、前月(+2.1%)から鈍化を予想している。中国は先日5日に開幕した中国全国人民代表大会(全人代)で2023年のGDP成長目標を5.0%前後と前年の5.5%と比べて控えめとも受け取れる目標を設定した。また、同時にインフレ目標は3%前後に設定している。インフレが目標を下回った現状で、前月から鈍化していれば、同国の金融緩和実施への期待が高まり、中国株高が豪ドルを支える材料になる可能性はある。
他方で、RBAがタカ派度合いを弱め、米連邦準備制度理事会(FRB)が、タカ派度合いを強めた現状では、豪ドルが買われる要素は少ない。明日に注目の米雇用統計を控えているため本日は様子見ムードが強まりそうだが、当面は対米ドルでは売られやすい状況にあるということは頭に入れておきたい。
この先の個別相場変動
■中国CPIが下振れ
⇒中国のインフレ率は目標を下回っている
⇒中国政府の金融緩和策実施への期待が高まる
⇒中国株価指数が上昇
⇒豪ドルを支える要因となる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
中国2月CPI
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。5時に豪ドル/円のRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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