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来週の為替予想(米ドル/円)「140円に向けた流れ継続、FRB議長の『ディスインフレの始まり』認識の修正の行方は」ハロンズ FX 2023/3/4

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年3月3日 14時30分

140円に向けた流れ継続、FRB議長の『ディスインフレの始まり』認識の修正の行方は

2月27日週の米ドル/円は137円台到達

世界的なインフレ観測で米長期金利が4%台をつけると、米ドル/円も137.096円まで上昇し、年初来高値を塗り替えました。ただ、来週の日銀会合や米雇用統計を控えて上方向を一方的に攻めていく環境でもなく、上昇一巡後は136円台でもみ合いとなりました。(各レート水準は執筆時点のもの)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

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外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組

FX ライブ配信、3月FOMC50bp利上げと政策金利見通し6%へのリスクシナリオ、中国リオープンと通貨強弱 (2023年3月2日)- YouTube

パウエル議長議会証言→日銀会合→米雇用統計

来週は3/7(火)・3/8(水)にパウエルFRB議長の議会証言、3/10(金)に日銀金融政策決定会合、同日に米2月雇用統計と重要イベントが並び、気が抜けない週になります。本邦では、黒田体制下での最後となる日銀会合でイールドカーブコントロール(YCC)の修正が前進するのか、米国サイドは3月21日、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%利上げへの織り込みが広がるのか注目です。

日銀が3月1日に発表した債券市場サーベイでは、3カ月前よりも市場の流動性低下、機能度低下が進んでいる様子が確認できました。少なくとも今回の調査結果からは、昨年12月に実施したYCC修正の効果は限定されていることが明らかとなりました。こうした点は、黒田総裁のもう一段の修正期待を想起させます。もしもYCC修正が実施されれば、本決算を前にして敢えて企業に試練を課すような真似はしないだろうと考えている市場へのインパクトは大きくなり、円は2~3円程度急騰しそうです。もっとも、この時期は春闘と重なるため、黒田総裁がこれまで語ってきた「賃金の上昇を伴う物価安定」の流れを損なう可能性もあります。恐らくそれは避けると思われ、日銀会合での波乱は小さいと考えます。ただ、先の債券市場サーベイで機関投資家の多くが新発債の利回りが6月にも0.75%へ上昇すると予想しており、状況次第では新日銀総裁の下で早々にYCC修正に踏み込む危険はあり、円買い圧力はこの後も残りそうです。

一方で、パウエル米FRB議長の議会証言では、「ディスインフレの始まり」に対する認識に変化が出てくるのかどうかがポイントです。強い1月の雇用統計(2月3日)前後の議長発言(2月1日FOMC後の会見、同7日の経済クラブでインタビュー)を振り返ると、「ディスインフレは始まったばかりで、まだ先が長い」との趣旨でした。ここで、議長が言う「ディスインフレの始まり」とは、「モノ・住宅のインフレが収まる中で、住宅以外のサービス業でもすぐにインフレが鈍化してくる状況」を指しています。

直近のパウエル議長の発言と経済イベント

2月2日 FOMC後に記者会見
「利上げの効果は時間差で経済活動と物価に波及する 」
「我々の目標へ向けて米経済の進捗を精査できる」
「労働市場は依然として逼迫」

2月3日 米1月雇用統計
「NFP:51.7万人(12月:26.0万人)」

2月7日 経済クラブでインタビュー
「プロセスには紆余曲折あり、さらなる利上げが必要となる可能性」
「十分に抑制的な水準には到達していない」「2023年はインフレが大幅に鈍化する年になる見通し」

2月14日 1月消費者物価指数/前月比
0.5%(12月:0.1%)

2月15日 1月小売売上高/前月比
3.0%(12月:-1.1%)

しかし、その後に公表された強い消費者物価指数や小売売上高を受けて、サービスセクターのディスインフレ期待は後退しつつあります。議会証言やポジティブサプライズ後の2月雇用統計を通じて、3月2日時点で約72%を織り込む3月FOMCでの0.25%利上げ予想が低下し、0.50%予想が増加してくれば、米ドル上昇のペースは加速するでしょう。逆に、3月の0.25%利上げ期待が強まれば、足許の上昇基調にいったん調整が入りそうです。何れにしても、日米イベントの結果を受けて、米ドル/円相場は神経質な取引になると思われます。

米ドル/円レンジ、21日線とフィボナッチの50%戻し

米ドル/円は134.02円付近で推移する21日移動平均線を支えに底堅い展開が続いています。昨年高値(151.942円)からの下落幅の38.2%戻しとなる136.666円付近を明確に上抜けつつあり、次は同50%戻しの139.584円付近が意識され始めています。日足一目均衡表での三役好転も後押しに、上値をトライする流れがしばらく続くのではないでしょうか。

【米ドル/円チャート 日足】

USDJPYチャート

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:134.000-140.000

3/6 週のイベント:

3/6(月) 24:00 米国 1月製造業新規受注
3/7(火) 8:30 日本 1月毎月勤労統計調査
3/7(火) 24:00 米国 パウエルFRB議長、上院銀行委員会で半期に1度の議会証言
3/7(火) 24:00 米国 1月卸売売上高
3/8(水) 8:50 日本 1月国際収支・貿易収支
3/8(水) 14:00 日本 1月景気先行指数(CI)・速報値
3/8(水) 14:00 日本 2月景気ウオッチャー調査
3/8(水) 22:15 米国 2月ADP雇用統計
3/8(水) 24:00 米国 パウエルFRB議長、下院金融委員会で半期に1度の議会証言
3/8(水) 24:00 米国 1月JOLT求人件数
3/8(水) 28:00 米国 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
3/9(木)   -   米国 バイデン大統領、2024会計年度予算教書提出
3/9(木) 8:50 日本 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
3/9(木) 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
3/9(木) 21:30 米国 2月チャレンジャー人員削減数
3/9(木) 22:30 米国 新規失業保険申請件数
3/10(金)  -  日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
3/10(金) 8:50 日本 2月国内企業物価指数
3/10(金) 15:30 日本 黒田日銀総裁、定例記者会見
3/10(金) 22:30 米国 2月雇用統計

一言コメント

外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が平日毎日21時よりライブ配信しています。番組では、注目材料の紹介、テクニカル分析でエントリーポイントや利食い・損切りポイントを解説し、実際にリアルトレードも行っています。ご興味のある方は、一度、こちらにアクセスしてみてください。

 
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