オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・3月1日に発表された、豪1月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+7.4%となり、前月(+8.4%)からインフレは鈍化した。
・原油価格は続伸。中国の強い経済指標の結果を受けて、同国でのエネルギー需要が拡大するとの思惑から買いが優勢となったものの、ロシアの2月の原油産油量が増加したことで伸び悩んだ。終値は前日比+0.64ドルの1バレル=77.69ドル(3月1日)。
・2月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.35%とした。今後の利上げに関しては、「今後数カ月にわたって金利をさらに引き上げる必要がある」とややタカ派的となった。
・豪1月雇用統計は、雇用者数は市場予想(2万人増)に反して1.15万人の減少となったほか、前月分も2万人減に下方修正された。失業率は3.7%、労働参加率は66.5%とともに前月から悪化した(2月16日)。
今日のメインシナリオは
中国がV字回復!しかし豪ドルが強気になりきれない理由が…
昨日発表された豪10‐12月期国内総生産(GDP、前期比)は+0.5%で、予想(+0.8%)や前回(+0.7%)を下回る結果となった。経済成長は5期連続となったが、成長率は2期連続で低下。全体的には豪経済が減速していることを示す内容だった。この結果を受けて市場は豪経済減速への懸念を強めている。
他方で、中国の2月製造業/非製造業購買担当者景気指数(PMI)や2月財新製造業PMIは堅調な伸びを見せた。民間統計である財新製造業PMIが好不況の境目と言われる50.0を上抜けるのは昨年7月以来7カ月ぶりのこととなった。また、昨日は大手格付け会社のムーディーズが2023年の中国のGDP成長率予想を4%から5%へ上方修正した。これらの中国発の好材料が、中国と交易関係の強い豪ドルを支える要因となった。
本日は豪州、中国で豪ドル/円相場に大きく影響を与えそうな経済指標の発表は予定されていない。そのため、株価動向に豪ドル/円は連れそうだ。前述の通り、中国経済がV字回復を見せていることが、引き続き豪ドルを支える材料となる。一方で、欧州や米国ではインフレの高止まりを示唆する内容の経済指標結果が目立ってる。これによりECBやFRBの金融引き締め長期化が欧米経済を減速させるとの警戒感があり、リスクオンに傾ききれない状況が続いている。豪ドル/円は方向感を見極める展開が続きそうだ。
この先の個別相場変動
■中国経済がV字回復の兆しを見せた
⇒豪州は中国と交易関係が強い
⇒豪ドルは底堅い
⇒欧米の景気減速懸念が残る
⇒リスクを積極的に取れない
⇒豪ドルの上値は抑えられる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
世界的な株価動向
欧米経済指標
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは雨。6時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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