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南アフリカランド今後の見通し「迫る格下げ懸念。長引く計画停電が南ア経済の足を引っ張る」 2023年2月21日

FXつみたて通信 南アフリカ ランド/円

 
買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

高金利通貨である南アフリカ ランドについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka

目次

南アフリカ ランド/円 上昇・下落のパワーバランス

南アフリカ ランド/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。

南ア準備銀行は8会合連続の利上げを実施したが、利上げ幅は縮小した

1月26日の南ア準備銀行(SARB)金融政策会合で市場予想(0.50%)を下回る0.25%の利上げを実施し政策金利を7.25%とした。5人の理事のうち3人が0.25%利上げを、2人が0.50%利上げを支持した。

南アフリカのインフレは若干鈍化して、中銀の目標レンジに近付いた

1月の南アフリカ・消費者物価指数(CPI)は前年比+6.9%。2022年5月以来の7%割れとなった。SARBのインフレ目標は3~6%。

南アフリカの12月の貿易収支は黒字額が減少した

2022年12月の南アフリカ・貿易収支は54億ランドと11月の73億ランドから貿易黒字が減少。

南アフリカの小売売上高は2カ月ぶりの前月比マイナスとなった

2022年12月分では前年比-0.6%と予想(0.4%)から大きく下振れ。2カ月振りの前月比マイナスとなった。

プラス成長に回復も見通しは悪い2022年12月6日に発表された南アフリカ2022年第3四半期国内総生産(GDP)は前期比1.6%とプラス成長を回復。ただし、断続的な停電の影響により今後は低成長が予想されている。

南アフリカでは長引く電力不足が多方面に悪影響を及ぼしている

①国営電力会社のエスコムの施設老朽化と整備不足による深刻な電力不足により、ラマポーザ大統領は2月9日に国家非常事態宣言を発動。
②①を起因とした同国経済の不透明感が高まる(SARBは2023年の経済成長見通しを下方修正)。
③1月26日にSARBは0.25%に利上げ幅を縮小したことで、利上げサイクルが終盤に差し掛かっていると市場は勘案している。
④2月22日に南アの2023年の予算教書が発表される。大手格付け会社が注目しており、予算案の内容次第では格下げの可能性もある。

パワーバランス まとめ

SARBは1月26日の会合で8会合連続の利上げを実施。しかし利上げ幅は市場の予想を下回った。インフレ率は、8カ月ぶりに6%台へ低下。しかし、電力不足を起因とした懸念点が多く、その電力不足は早期解決が見込めないことがネガティブ材料。

南アフリカ ランド/円、いまが買いどき?

南アフリカランドの買いどき指数は40%

インフレ率はジリジリと中銀目標レンジに向けて低下している。欧米や中国の景気は当初予想されていたほど減速しないとの見通しに変わってきたことは、ランドにとってはプラス要因。電力不足は引き続き南ア経済の足枷となっており、長引く電力不足(発電施設のメンテナンスのため、今後さらに悪化が予想される)が、多方面で問題となっている。格付け会社による格下げの可能性も取り沙汰されている。今は様子見が良さそうだ。

買いどき?指数は南アフリカ ランド/円の上昇・下落のパワーを視覚化したものです。ミニマム(MIN)はポジション保有は慎重に、マックス(MAX)はポジション保有の好機、を表しています。現況のマーケットを俯瞰しての分析であり、投資の判断はご自身でおこなっていただけます様、お願いいたします。

 

経済指標予定

2月22日 21:00 予算教書、発表
2月23日 18:30 1月卸売物価指数(PPI)
2月28日 18:30 第4四半期失業率
2月28日 21:00 1月貿易収支

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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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