【臨時版】
豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
2月16日 9:30 豪1月雇用統計発表!
・豪12月雇用統計では、雇用者数は1.46万人減少して市場予想(2.5万人増)を下回ったほか、前月分も5.8万人増に下方修正された。失業率は3.5%で前月と変わらず。また、労働参加率は66.6%となった(1月19日)。
・原油価格は反落。米国が戦略石油備蓄の追加放出を決定したことが材料視され、一時1バレル=77.46ドルまで下落。ただ、石油輸出国機構(OPEC)が今年の需要見通しを上方修正したことで買い戻された。終値は前営業日比-1.08ドルの1バレル=79.06ドル(2月14日)。
・2月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.35%とした。今後の利上げに関しては、「今後数カ月にわたって金利をさらに引き上げる必要がある」とややタカ派的となった。
・豪10-12月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.8%と予想(+7.6%)や前期(+7.3%)から上振れ。12月月次CPIは前年比+8.4%で、前月(+7.3%)からインフレは加速(1月25日)。
今日のメインシナリオ
注目の豪雇用統計!労働市場は引き続きひっ迫し、RBAは利上げ継続?
明日は豪1月雇用統計が発表される。
前月発表された12月分では雇用者数が予想外の減少(-1.46万人)となり市場を驚かせた。ただ、内容を精査すると、非常勤雇用者数の減少が正規雇用者数の増加を上回ったことが原因であり、失業率は3%台半ばで引き続き低水準。労働参加率も過去最高を記録した前月からは低下したものの、高水準を維持した。これが統計を公表している豪統計局及び、豪準備銀行(RBA)の見立てである。
明日発表される1月分の市場予想は雇用者数が2万人増、失業率と労働参加率は3.5%と66.6%でそれぞれ前月から横ばいとなっている。2月7日のRBA理事会では、RBAは賃金・物価スパイラルへの警戒感を示していた。労働市場の逼迫が賃金上昇に繋がり、上昇する賃金が物価の上昇圧力となってしまうものだ。豪1月雇用統計が市場予想通りであったとしても、RBAが物価上昇への警戒感を強めて3月の理事会で利上げを継続させる可能性が高まるため、豪ドルへの買い圧力が高まりそうだ。
個別の想定シナリオ
■豪雇用統計が市場予想通り
⇒豪労働市場の逼迫がインフレを押し上げる懸念強まる
⇒RBAが利上げを継続するとの警戒感が高まる
⇒豪金利は上昇
⇒豪ドル/円は買われる
今後の注目材料
豪1月雇用統計
世界的な株価動向
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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