執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・メキシコCPI鈍化
・原油安
・中国ゼロコロナ緩和期待
・ドル/円につれ安
足元のメキシコペソ/円は上値の重い展開
8日に発表されたメキシコ11月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.80%となり、前月の+8.41%から減速。
世界的な景気後退への懸念を背景にNY原油(WTI)が70.0ドル台に下落した9日にはペソ/円も6.8円台へと下落しました。
その後は、中国のゼロコロナ政策の緩和期待などを支えに6.9円台を回復したものの、13日にはドル/円が137円台から134円台に急落した動きにつれて6.842円前後まで下落。
8月後半以来、約3カ月半ぶりの安値を付けました。
ただ、米国のインフレ鈍化で世界景気後退への過度な懸念が和らいだことからペソは下げ渋りました。
それでも、6.9円台に乗せると伸び悩むなど上値の重い展開が続いています。
注目ポイントはメキシコ中銀
メキシコ中銀は15日に政策金利を発表します。
市場は10.50%への50bp(0.50%ポイント)利上げを見込んでおり、利上げ幅は前回の75bpから縮小することになりそうです。
焦点は、声明文で示される今後の利上げに対する中銀のスタンスでしょう。
前回の声明で見られた「状況に応じて利上げ幅を検討する」との文言に変化はあるのか注目です。
中銀がインフレはピークを越えたとの見方を示し、一段の利上げ減速を匂わせるようならペソに下落圧力がかかりそうです。
ただ、ピークを越えたとはいえインフレ率は中銀の目標である2~4%を大きく上回る水準にあることから、引き締めスタンスを一気に弱めるとは考えにくいところです。
市場は、メキシコ中銀のハト派化(タカ派スタンス後退)をある程度見込んでいるだけに、声明で従来のスタンスを維持すればタカ派的と受け止められてペソに買戻しが入る可能性もあるでしょう。
来週までのメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
6.775円~7.100
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆12/15 メキシコ中銀政策金利
・ 主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|メキシコペソ/円(MXNJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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