豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・原油価格は続落。中国がゼロコロナ政策の緩和策を発表したことを好感し、一時1バレル=75ドル台まで上昇した。しかし、米国の景気後退懸念が根強いこと、昨日発表された、米週間石油在庫統計で石油製品在庫が大幅に積み増されていたことなどを嫌気して売りが強まった。終値は1バレル=72.39ドル(12月7日)。
・12月6日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.10%とした。今後の利上げペースに関してはデータ次第とした。
・11月17日の豪10月雇用統計は、失業率が3.4%に低下して48年ぶりの低水準だった7月に並んだ。また、新規雇用者数は3.22万人増加して市場予想(1.50万人増)を上回った。豪11月雇用統計は12月15日発表。
・11月16日に発表された豪7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想の+3.0%を上回り、4-6月期の+2.6%から伸びが加速した。
・11月15日にRBAが発表した議事要旨では、住宅市場の悪化を警戒しつつ、利上げ幅を0.25%に留めたことが明らかになった。
今日のメインシナリオ
豪ドルは引き続き方向感模索中。貿易黒字が減少しても影響は少なさそう
昨日、中国が新たにゼロコロナ政策に関する10の緩和策を発表した。ゼロコロナ政策の緩和は中国経済の成長回復への支援となり、中国と交易関係の強い豪ドルを下支えする一因となっている。
他方で、米国や欧州の景気後退懸念が根強いことが資源国通貨の豪ドルの上値を抑える要因ともなっている。
これら好悪材料が混在していること、来週に迫った米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の金融政策の方向性を見極めたいとの思惑が高まっていることなどにより、市場全体に様子見ムードが漂っている。そのため、豪ドル/円も方向感を模索している状況だ。
本日は、豪10月貿易収支が発表される。10月は中国では国慶節の休暇があり、大規模な新型コロナの感染拡大防止策が布かれていた時期だ。その影響が豪州の貿易収支にも及んでいることが予想されるため、市場では豪州の貿易黒字の減少が予想されている。前述の通り中国経済は回復へ向かうとの思惑が高まっていることから、市場予想の通りに貿易黒字額が減少していたとしても、豪ドルへの影響は限定的となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■中国が新たなゼロコロナ政策の緩和策を発表
⇒中国と交易関係の強い豪ドルにとってポジティブ材料
⇒欧米の景気後退懸念が根強い
⇒資源国通貨の豪ドルにとってネガティブ材料
⇒好悪材料混在で豪ドル/円は方向感が見出せない
チャート分析
今後の注目材料
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは曇り空に雨がぱらつく。7時に豪ドル/米ドルのストキャスティクスとRSIで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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