豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
原油価格は4日続落。FRBが大幅利上げを継続するとの観測やサウジアラビアの増産報道が重しとなった。NY原油(WTI)は、10カ月ぶりに1バレル=75ドル台へ急落する場面もあった。ただ、サウジアラビアが増産を否定したことで下げ幅を縮小して80ドル台を回復。(11月21日)
・11月1日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.85%とした。
・11月15日にRBAが発表した議事要旨では、住宅市場の悪化を警戒しつつ、利上げ幅を0.25%に留めたことが明らかになった。
・11月16日に発表された豪7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想の+3.0%を上回り、4-6月期の+2.6%から伸びが加速した。
・11月17日の豪10月雇用統計は、失業率が3.4%に低下して48年ぶりの低水準だった7月に並んだ。また、新規雇用者数は3.22万人増加して市場予想(1.50万人増)を上回った。
今日のメインシナリオ
RBA総裁のタカ派発言は期待薄 コロナ巡る中国リスクにも要警戒
本日はロウRBA総裁がメルボルンで講演する(日本時間17時30分)。7-9月賃金指数や10月雇用統計などから窺える豪州の雇用情勢は堅調だ。ロウ総裁が強い雇用市場に言及すれば、追加利上げへの期待が高まろう。ただ、RBAは10月の議事録で住宅価格の下落に懸念を示している。ロウ総裁が、住宅価格の下落が消費支出に悪影響を与えかねないとの懸念を口にするようなら、利上げ期待は盛り上がりにくい。総裁のこれまでの言動を踏まえると、利上げ加速観測に繋がるほどのタカ派発言は想定しづらいか。
外部要因としては、中国リスクへの警戒が引き続き必要だろう。中国では首都北京で19日に半年ぶりに新型コロナウイルス感染による死者が出た。経済の停滞に繋がる「ゼロコロナ政策」が再び強化されるリスクを意識せざるを得ない。人民元や上海・香港株など中国の金融市場の動向にも注意が必要だろう。
個別の想定シナリオ
■中国再ロックダウン(都市封鎖)の動きで経済停滞観測
⇒人民元続落・株価続落でリスクオフ
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドル安・円高
チャート分析
今後の注目材料
17:30 ロウRBA総裁講演
19:00 OECD世界経済見通し
中国人民元・中国株の動向
原油等資源価格の動向
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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