豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・10月26日に豪統計局は7-9月期四半期消費者物価指数(CPI)と9月の月次CPIを発表。7-9月期CPIは前年比+7.3%と市場予想(+7.0%)を上振れた。9月CPIも+7.3%となった。7-9月期CPIのトリム平均は+6.1%となり、同項目の公表が開始された2003年以降で最大の伸びとなった。
・WTI原油価格は続伸。米国の利上げペース減速観測による米ドル売りが、原油の買いの材料となった。国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が「初の世界的なエネルギー危機を迎える」との見方を示したことも買い材料となった。一時1バレル=88ドル台まで上昇(10月26日)。
・9月分の豪雇用者数は900人増と予想の2.5万人増を大きく下回る。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%と前月から横ばいとなった(10月20日)。
・10月4日に豪準備銀行(RBA)は金融政策会合を開催。市場予想の0.50%を下回る0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.60%とした。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。次回は11月16日発表予定。
今日のメインシナリオ
米国のリセッション懸念が豪ドル/円の売り材料?
昨日発表された豪7-9月期CPIは市場予想(前年比+7.0%)を大幅に上回る結果(+7.3%)となった。ただ、RBAが予想する2022年末のインフレ率(7.75%)の範囲内であったことや、豪9月雇用統計が前月から横ばいだったこともあり、RBAが11月の理事会で利上げ幅を再び0.50%に拡大するとの期待はさほど高まっていない。先週末(10月21日)から外国為替市場のメインテーマは米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速への思惑となっている。本日は豪州に注目の経済指標の発表は予定されていないことから、米国の経済指標の結果を受けた米ドルの動向が豪ドルにも大きく影響を与えることとなりそうだ。本日は特に米7-9月期国内総生産(GDP)に注目したい。米国は1-3月期、4-6月期と2期連続でマイナス成長となっている。7-9月期もマイナス成長となった場合はFRBの利上げ幅縮小への思惑が強まり、米ドル売りに拍車がかかりそうだ。その場合、米景気悪化への懸念から資源価格が下落すると、豪ドル/円は売られることになるのではないか。
個別の想定シナリオ
■米7-9月期GDPがマイナス成長
⇒FRBは利上げ幅縮小観測が高まる
⇒米ドルは売られる
⇒米ドル/円が下落
⇒豪ドル/円はつられて下落
チャート分析
今後の注目材料
米7-9月期GDP
米9月耐久財受注
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。7時に豪ドル/米ドルのRSIで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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