株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっており、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
24年ぶりの実弾為替介入、英財政不安で市場が活況! FX個人投資家は米ドルやポンドへ取引を集中
1.一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
店頭FX取引円金額は約20.6%増加、米ドル/円の取引額は初の1,000兆円台
金融先物取引業協会が10月17日に公表した資料によると、2022年9月の店頭FXにおける取引金額は前月比約20.6%増の1,398.0兆円で、2008年11月に統計を取り始めて以来、最高を記録した。一方、月末時点の未決済ポジション(建玉)合計は約8.1兆円と前月末比約3.9%減少だった。
また、日本円取引に絞ると買建玉(円買い)、売建玉(円売り)とも減少。ネットでは672億円の円売建超過となった。昨年12月以来、8カ月ぶりの円買建超過だった8月から円売建超過に転じた。また、USD/JPY(米ドル/円)の取引額(円ベース)は1,098.3兆円と初の1,000兆円超えとなった。
取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・EUR/JPY(ユーロ/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)だった。
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成。
左軸-取引金額、右軸-ポジション計
グラフ中のデータ単位は百万円
2. 株式会社外為どっとコムFX投資家動向2022年9月
シニア世代の取引参加者が拡大
FX口座数が57万件を超える株式会社外為どっとコム協力の下、2022年9月のFX投資家動向を調査した。
調査対象サービス:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
調査対象期間:2022年9月1日6:00 ~ 2022年10月1日6:00
※FX投資家調査は、特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。
2-1.FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは54.0%、マイナスは45.9%となった。前月からプラスは2.5%ポイント低下した。政府・日銀による円買い介入実施で、為替市場の急変動から予期せぬ損失発生を回避できなかった投資家がいた模様で、利益は抑えられたと推察。
2-2.通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)・NZD/JPY(NZドル/円)・TRY/JPY(トルコリラ/円)・ZAR/JPY (南アフリカランド /円)の順。
GBP/JPY(ポンド/円)の取引者は29.8%増となり、シェアも8月の10.1%から11.4%へ拡大し、順位も4位から2位へ上げた。トラス新政権による大型減税案と国債増額計画を嫌気し、GBP(英ポンド)が幅広い通貨に対して下落したほか、政府・日銀が24年ぶりに為替市場で介入(ドル売り・円買い)を実施したことで、結果的にGBP/JPY(英ポンド/円)の振幅が大きくなり取引が増加したと思料。
2-3.平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は3.4万通貨(34Lot)と前月から変わらず。今年に入って、小口化傾向が続いていたが、足許では小康状態となっている。USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり5,900円の必要保証金(10/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は、約20万600円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり300円の必要保証金(10/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は、1万200円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
2-4.口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均103カ月(8年5カ月)へ伸びた。
2-5.FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では40代が30.4%と最多で、次に50代、30代と続く。性別は、男性が8割近くを占めた。
2-6.FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代が最多となり、続いて僅差で40代、20代、50代の順となった。順位は低いが50代の口座開設者の伸びは2ケタ台と目立った。
3.まとめ
2022年9月の為替市場は、インフレ抑制で先行する米国に対し、大規模緩和政策の維持を改めて表明した日銀と、USD(米ドル)1強、JPY(日本円)最弱の流れが継続した上、GBP(ポンド)の急落と各通貨の変動幅が広がりやすい相場環境が続いた。変動幅拡大を収益チャンスと捉えた個人投資家が積極的に取引参加している様子が窺えた。
※過去の調査結果は、マネ育ch(https://www.gaitame.com/media/)よりご参照ください。
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