豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は続落。世界的な景気減速懸念や、中国で再び新型コロナが感染拡大していることで、原油需要の減退懸念が強まった。一時1バレル=87ドル台まで下落(10月11日)。
・10月4日の豪準備銀行(RBA)は金融政策会合を開催。市場予想の0.50%を下回る0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.60%とした。
・9月29日に豪統計局は7,8月の月次消費者物価指数(CPI)を発表。7月が前年比+7.0%、8月が6.8%とインフレ率は高止まりしている。7月27日発表の豪2022年4-6月CPIは前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・8月分の豪雇用者数は3.35万人増と予想の3.5万人増を下回る。失業率は3.5%に上昇したが、労働参加率が66.6%(前月66.4%)に上昇した(9月15日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は世界的な景気低迷リスクで売られやすい。G20には警戒を
現在の豪ドルに対する下落材料は以下のものになる。①昨日、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通し(WEO)を発表。来年の世界成長率予想を前回7月時点の2.9%から2.7%に下方修正した。
②中国では新型コロナが再び流行し始めている。中国のゼロ・コロナ政策による中国経済の減速懸念や、サプライチェーンの混乱懸念が高まりつつある。
③英国の財政不安はリスク回避の米ドル買いに繋がりやすい。
④RBAは金融引き締めのペースを落とした。米連邦準備制度理事会(FRB)は引き続き急速な金融引き締めを継続する見通しのため、対米ドルで豪ドルは売られやすい。
これらの材料により、豪ドルは下落トレンドにあると考えて良いだろう。
他方で、本日からG20財務相・中央銀行総裁会議がワシントンで開催される(13日まで)。ここ最近の米ドル独歩高状態に不満を持っている国は少なくなく(米国以外)、米ドル独歩高への対応について議論される可能性がある。そのため、一方的に進んできた米ドル高に調整が入る可能性は留意しておきたい。
個別の想定シナリオ
■中国の新型コロナの再流行
⇒ロックダウンなどが、中国経済を低迷させる可能性
⇒豪ドルは中国と交易関係が強い
⇒豪ドル/円にとっては警戒要因(売られる可能性)
チャート分析
今後の注目材料
G20 財務相・中央銀行総裁会議
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルは曇り空に雨がぱらつく。7時に豪ドル/円と豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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