シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショート小幅に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート小幅減】
10月4日時点で円のポジションは、ドルに対して8.2万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング、ショートともに積み増されたことから、ネットショートは前週から0.1万枚の小幅な減少となった。
期間中のドル/円相場は、144円台を中心に方向感の出ない展開となり、143円台では下げ渋った一方、145円台では伸び悩んだ。
投機筋のポジションに目立った変化がないところを見ると、政府・日銀による円買い介入を強く警戒する向きはほとんどいないようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
10月4日時点でユーロのポジションは、ドルに対して4.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から1.0万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、独9月消費者物価指数が70年ぶりの伸びとなったことなどから欧州中銀(ECB)の利上げ期待が高まり0.9999ドル前後まで上昇した。
ただ、欧州経済の先行きに対する不透明感が強い中、投機筋としても心理的節目のパリティ(1ユーロ=1ドル)を超えて買い戻しを進めるには至らなかったようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート小幅に増加】
10月4日時点でポンドのポジションは、ドルに対して5.0万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに取り崩されたがロングの削減度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から0.3万枚の増加。
期間中のポンド/ドル相場は、英政府が大規模減税案に盛り込んだ所得税の最高税率引き下げを撤回すると伝わると1.1490ドル前後まで上昇した。
前週に1.03ドル台まで下落して史上最安値を更新した後の大幅な切り返しとあって、ロング勢の持ち高圧縮の動きがやや優勢だったと見られる。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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