<第160回調査>2022年10月1日公開
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2022年9月23日(金)13:00~2022年9月27日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は786件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:欧州中央銀行(ECB)は、10月27日に予定されている次回理事会で現在1.25%の主要政策金利をいくらに引き上げると思いますか?
問8:ECBの利上げはいつまで続くと思いますか?
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が、61.8%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は16.5%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△45.3%ポイントとなり、前月の△42.3%ポイントからプラス幅がやや拡大した。調査期間前後の米ドル/円相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が想定以上にタカ派な内容だったことや日銀が金融政策の現状維持を発表したことから急速に米ドル高・円安が進み、約24年ぶりの高値145.91円前後まで上昇。その後、政府による円買い介入の影響で140.35円前後まで急落するも再び144円台へと切り返した。介入の効果が一時的にとどまったことから、米ドル高・円安の流れが継続すると見る個人投資が増えたようだ。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が155.00円、最安値が130.00円となり、高値の平均値は147.18円、安値の平均値は138.79円であった。高値の中央値は146.88円、安値の中央値は140.00円で、前月調査から7~8円程度米ドル高・円安方向へシフトした。実勢レートも前月調査時点から7円前後上昇していることを踏まえると、個人投資家の米ドル強気・円弱気スタンスは過去に類を見ないほどの強さになっているようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、37.4%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は26.6%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△10.8%ポイントとなり、前月の△10.9%ポイントからほぼ横ばいだった。調査期間前後のユーロ/円相場は、エネルギー供給懸念や高水準のインフレからユーロ圏の景気後退(リセッション)懸念が高まり、約1カ月ぶりに137.35円前後まで下落した。それでもユーロ/円相場に対する強気スタンスが大きく崩れていないのは、円の先安観が強いためだろう。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が150.00円、最安値が129.88円となり、高値の平均値は145.13円、安値の平均値は136.69円であった。高値の中央値は145.00円、安値の中央値は137.00円であった。前月調査から3~5円程度、ユーロ高・円安方向へシフトした。もっとも、9月12日に付けた約8年ぶり高値145.64円前後を今後1カ月のうちに更新するとの見方は少ないようだ。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、40.7%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は21.2%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△19.5%ポイントとなり、前月の△24.1%ポイントからプラス幅が縮小した。調査期間前後の豪ドル/円相場は、世界的な景気減速懸念が重しとなり一時92円台へと下落。豪中銀(RBA)が今後の利上げペースを下げるとの思惑が浮上したことも重しとなった。9月13日に付けた約8年ぶりの高値98.79円前後から6%を超えて調整が進んだことから、個人投資家の豪ドル強気スタンスはやや後退したと見られる。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が110.00円、最安値が81.00円となり、高値の平均値は98.53円、安値の平均値は91.36円であった。高値の中央値は98.52円、安値の中央値は91.80円となり、前月調査から80銭~1円70銭程度、豪ドル高・円安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、34.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は30.0%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△4.5%ポイントとなり、前月の△8.5%ポイントからプラス幅がやや縮小した。調査期間前後の英ポンド/円相場は、英政権が打ち出した経済対策が財政圧迫につながるとの懸念が広がり164円台から148.67円前後まで下落した。その後は157円台まで持ち直したが、そうした不安定な値動きから、英ポンドの先行きに対する強気な見方が後退しつつあるようだ。
なお、今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が140.05円となり、高値の平均値は166.37円、安値の平均値は155.28円であった。高値の中央値は166.00円、安値の中央値は155.60円となった。前月調査から高値が横ばいだった一方、安値は3.4円低下。英ポンド/円相場の不安定な値動きは当面続くと見られ、それに伴い値幅も大きくなるとの見方が示されている。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が64.1%と最も多かった。次いで「円」が16.9%、「メキシコペソ」が5.0%と続き、さらに「豪ドル(3.6%)」、「ユーロ(1.9%)」、「スイスフラン(1.8%)」、「南アフリカランド(1.7%)」と続いた。「米ドル」の割合は前月の58.1%から6.0%ポイント上昇。個人投資家の間では 「米ドルしか買えない」との見方が一段と強まっているようだ。「米ドル」と答えた理由についても「米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ」を挙げる向きが多かった。「円」については前月の18.9%から2.0%ポイント低下した。政府・日銀による円買い介入直後の調査にもかかわらず、円の先高観は薄れた格好だ。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が51.5%と最も多かった。次いで「ユーロ」が14.9%、「米ドル」が12.5%と続き、以下、「英ポンド(8.4%)」、「トルコリラ(5.3%)」、「豪ドル(2.7%)」、の順になった。「円」の回答割合は前月の41.3%から10.2%ポイント上昇。その理由として「マイナス金利のうちは円は売られ続ける」、「米国をはじめ海外との金利差が開く一方」などと、日銀の政策を挙げる声が多かった。なお、「円買い介入には思ったほどの効果がなかった」などとする指摘も目立っており、介入したことによって逆に円の先安観が高まったとも言えそうだ。
問7:欧州中央銀行(ECB)は、10月27日に予定されている次回理事会で現在1.25%の主要政策金利をいくらに引き上げると思いますか?
今回の特別質問として欧州中央銀行(ECB)は、10月27日に予定されている次回理事会で現在1.25%の主要政策金利をいくらに引き上げると思いますか?」とたずねたところ、「1.75%」との回答が36.0%で最も多かった。次いで「1.50%以下(28.0%)」、「2.00%(14.0%)」、「2.25%以上(2.2%)」の結果となり、「わからない」は19.8%だった。個人投資家は50bp(0.50%ポイント)の利上げをメインシナリオにしているようだ。25bp利上げの回答割合が75bp利上げを上回っている点から見ても、個人投資家はECBの大幅利上げには懐疑的と考えられる。問6でユーロの先安観が円に次いで強かったのは、そうした見方に基づいたものであろう。
問8:ECBの利上げはいつまで続くと思いますか?
今回のもう一つの特別質問として「ECBの利上げはいつまで続くと思いますか?」とたずねたところ、「2023年1-3月」が24.4%で最も多く、次いで「2022年内(18.8%)」、「2023年4-6月(16.9%)」、「2023年7-9月(8.5%)」、「2023年10-12月(5.9%)」などと続いた。21.5%に上った「わからない」を除けば、ECBの利上げは少なくとも2023年前半には終了するとの見方が多いことがわかる。ユーロ圏の金利デリバティブ市場では、ECBの利上げは少なくとも2023年7月まで続き、政策金利は3%台に引き上げられるとの見方が織り込まれている。本邦個人投資家は、ECBの利上げサイクルが、そうした市場の見方よりも短命に終わると見ているようだ。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第160回目となりました。調査開始から12年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央に公表する「外為白書」で紹介する予定です。
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