豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は、一時1バレル=88ドル台まで下落し続落。欧米の大幅利上げによる景気後退懸念、中国の景気減速懸念が高まったことなどが理由(8月31日)。
・7月分の豪雇用者数は4.09万人減と予想の2.5万人増を大幅に下回る。失業率は3.4%まで低下、労働参加率は66.4%(前月66.8%)へ低下した(8月18日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。
・8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。次回以降も大幅利上げの可能性は残したが、先月までのタカ派的な姿勢は後退した。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は欧米の大幅利上げ観測を背景に上値が重い
本日東京時間は中国の8月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)に注目したい。昨日発表された中国国家統計局が集計する製造業PMIは49.4と好不況の境目と言われる50.0を2カ月連続下回った。Caixinの製造業PMIも50.0を下回ることとなれば、中国の景気減速懸念が強まり、中国と交易関係の強い豪ドルには売り圧力がかかってきそうだ。他方で、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の9月の大幅利上げはほぼ確実視されている。そのため、米ドルとユーロが買われやすい地合いとなっている。欧米の経済指標の結果が予想を上回れば、FRBとECBの利上げに欧米経済は「まだ」耐えられるとの思惑から、米ドル、ユーロ買いが継続するのではないか。豪ドルは対米ドル、対ユーロでは売られるが、リスクオンの観点から円が豪ドルよりも弱くなることで、豪ドル/円はジリ高となりそうだ。
反対に、欧米の経済指標の結果が景気減速を想像させるような内容であれば、欧米の景気減速懸念が株安や資源価格の下落に繋がり、資源国通貨である豪ドル売りの材料となるのではないか。
個別の想定シナリオ
■中国8月Caixin製造業PMIが50.0を下回る
⇒中国の景気減速懸念が強まる
⇒豪州は中国と交易関係が強い
⇒豪ドル/円は下落
チャート分析
今後の注目材料
10:45 中国8月Caixin製造業PMI
15:00 ドイツ7月小売売上高
18:00 欧州7月失業率
23:00 米国8月ISM製造業景況指数
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは晴れ。7時に豪ドル/米ドルのRSIで買いシグナル点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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