FX個人投資家が注目しておきたい高金利通貨について毎週取り上げ、重要ポイントや見通しをコンパクトにまとめました。スワップポイントを狙った外貨の長期投資を検討されている方も必見です。
執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・FRB議長タカ派発言で株安・豪ドル安
・日銀緩和維持表明で円安・豪ドル高
・豪小売売上高が予想を上回る伸び
・資源安・豪ドル安
・中国PMI上昇
足元の豪ドル/円は2カ月半ぶり高値から反落
市場の注目を集めた26日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)によるジャクソンホール会議での講演は、引き締めスタンスの長期化を示唆するタカ派的な内容でした。
米長期金利が上昇した一方、米国株が急落する中で豪ドル/円は95円台を割り込んで下落しました。
それでも、27日に黒田日銀総裁が改めて大規模金融緩和を継続すると表明したことから週明け29日は円売り主導で95円台後半へと反発。
豪7月小売売上高が予想を大幅に上回ったことも豪ドルの買い材料となりました。
30日には96.20円前後まで上昇して6月9日以来の高値を付ける場面もありましたが、その後はFRBが9月も75bp(0.75%ポイント)の大幅利上げを続けるとの見方が広がり、欧米株や原油・天然ガスなどの資源価格が下落したことで豪ドルにも下落圧力がかりました。
31日の東京市場では一時94.91円前後まで下落しましたが、中国8月製造業が予想を上回ったことから95円台を回復しています。
注目ポイントはRBA
豪中銀(RBA)は9月6日に理事会を開き政策金利を発表します。
豪州の金利先物市場は、RBAが政策金利を2.35%へと50bp(0.50%ポイント)引き上げることを概ね織り込んでいます。
市場の想定通りの利上げであれば、豪ドル相場には大きな波乱は生じない見込みです。
ただ、年内に7.75%前後でピークを迎えるとしているインフレ見通しの引き上げなどがあれば、利上げペース加速観測に繋がるでしょう。
いずれにしても、市場の関心は声明文の内容に集まりそうです。
なお、8月の声明では、今後の利上げの規模とタイミングについて「入手されるデータおよび、インフレと労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定する」と表明しました。
このフォワードガイダンスになんらかの修正が加えられるかどうかにも注目です。
来週までの豪ドル/円の見通し
予想レンジ
93.50~97.50円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆9/6 RBA政策金利
・主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら
「高機能チャート(テクニカル分析|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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