豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は、一時1バレル=90ドル台まで小幅反発。米国の強い経済指標の結果を受けて過度の需要減退懸念が和らいだ(8月5日)。
・8月2日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。次回以降も大幅利上げの可能性は残したが、先月までのタカ派的な姿勢は後退した。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・6月分の豪雇用者数は8.84万人増と予想の3.0万人増を大幅に上回る。失業率が3.5%まで低下、労働参加率が66.8%(前月66.7%)へ上昇した(7月14日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。4-6月分は8月17日発表予定。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は底堅くも大きく上値は伸ばせない?材料少なく、米CPI待ち
本日は豪州や中国、欧米で為替相場に影響を与えそうな経済指標は予定されていない。①8月5日(金)に発表された米7月雇用統計は市場予想を大幅に上回る結果となり、米国の過度な景気減速(リセッション)懸念が後退。米大幅利上げ期待が再び高まり、市場のリスク心理を安定(リスクオンに近い中立)させている。これにより米ドル/円を中心に円が売られやすい状況となっている。
②10日(水)に米7月CPIの発表が控えている。米国の雇用が良かったため、次はインフレ動向を見極めたいとの心理が働きやすい。
これらの影響から、米ドル/円を中心にクロス円は「底堅い動きとなるものの、上値を大きく伸ばすとまではいかない」と予想している。
警戒材料は、①中国が台湾周辺以外でも軍事演習を行っていること、②ウクライナのサポリージャ原発に砲撃があったこと。どちらも、今すぐに市場のリスク心理を悪化させるものではない。しかし、一歩間違うと大事となる可能性を秘めているだけに、頭の片隅に残しておきたい。
個別の想定シナリオ
■経済指標等の材料がない
⇒5日(金)の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る好結果だった
⇒米国経済のリセッション懸念が後退
⇒リスク心理が改善
⇒豪ドル/円は底堅い
チャート分析
今後の注目材料
なし
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドルは曇り空に晴れ間が覗いている。8時に豪ドル/円のRSIで売りシグナル点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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