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FX/為替予想「米・南ア金利差に注目 世界的なインフレ圧力の高まりはランド安要因」南アフリカランド 8月相場見通し

南アフリカランド相場見通し

目次

▼ドル強含みの影響を受けてランド軟調推移
▼世界的なインフレ圧力の高まりはランド相場の圧迫要因

ドル強含みの影響を受けてランド軟調推移

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと連動性が高い(第1図)。


第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート

金融市場は、主要国中央銀行の急速な金融緩和巻き戻しの景気への影響を巡り楽観と悲観、リスク選好とリスク回避の間を揺れ動きつつも、総じて景気減速への警戒とリスク回避的な地合いを強めつつある。6月29日のECBフォーラムでのパウエルFRB議長による米景気減速リスクを伴いつつもインフレ抑制が最優先との発言などをきっかけに、7月以降ドルが再び上昇基調に転じると、ランドを含む新興国通貨は全般的に軟調推移となった。

世界的なインフレ圧力の高まりはランド相場の圧迫要因

南アフリカ経済は、コロナショックからの回復の流れが続いているが、直近6月分消費者物価指数が前年比+7.4%と南アフリカ準備銀行(SARB)のインフレ目標レンジ(3%~6%)を大きく上回るなど、世界的なインフレ圧力が浸透しつつある。SARBはインフレ圧力に警戒を強め、7月21日の金融政策委員会で、大方の予想であった0.5%を上回る0.75%の幅の利上げ(4.75%→5.5%)を実施した。利上げ自体はランドにとってプラス材料だが、過去の推移をみると、米・南アフリカ10年金利差がランドに有利な方向へ拡大する情勢では、むしろ大局的にランドが下落する傾向がある(第2図)。

第2図:南アフリカ・ランド対ドル相場と米南ア10年金利差南アフリカ・ランド対ドル相場と米南ア10年金利差

世界的にインフレ圧力の燻りから金利に上昇圧力がさらにかかる場合は、ランドにも改めて下落圧力がかかる可能性があろう。

(国際通貨研究所 上席研究員 橋本 将司 氏)

【南アフリカランド/円 日足】

ZAR/JPY 日足

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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
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