<第157回調査>2022年6月25日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2022年6月17日(金)13:00~2022年6月21日(火)24:00
調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は715件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:年内にドル/円相場はどこまで上昇すると思いますか
問8:円安が日本経済に及ぼす影響をどう考えますか?
今後の調査実施計画及び公表方針
問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が75.7%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は11.0%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△64.7%ポイントとなり、前月の△18.1%ポイントからプラス幅が拡大。2カ月前に記録した△61.0%ポイントを上回り過去最高値を更新した。調査期間前後の米ドル/円相場は、日銀の金融緩和維持を受けて円売りが強まると1998年10月以来の高値となる136.71円前後まで上昇した。日銀とは対照的に米連邦準備制度理事会(FRB)は大幅利上げを継続する姿勢だ。そうした中で、日米金利差が一段と拡大するとの見通しが個人投資家の米ドル強気・円弱気姿勢を支えていると見られる。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が150.00円、最安値が125.00円となり、高値の平均値は138.43円、安値の平均値は130.56円であった。高値の中央値は138.00円、安値の中央値は130.50円で、前月調査から7~10円程度米ドル高・円安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が61.5%であったのに対し、「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は12.0%であった。この結果、「ユーロ/円予想DI」は△49.5%ポイントとなり、前月の△6.5%ポイントからプラス幅が急拡大した。調査期間前後のユーロ/円相場は、8日に付けた2015年1月以来の高値144.25円前後目前まで上昇した。円安の流れが強まる中で、個人投資家はユーロに対する強気姿勢を強めたようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が155.00円、最安値が128.50円となり、高値の平均値は144.69円、安値の平均値は136.53円であった。なお、高値の中央値は145.00円、安値の中央値は137.00円で、先月調査から5~6円程度ユーロ高・円安方向へシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が58.5%であったのに対し、「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は11.2%であった。この結果、「豪ドル/円予想DI」は△47.3%ポイントとなり、前月の△15.3%ポイントからプラス幅が拡大した。とはいえ、DIの水準は米ドル/円やユーロ/円に比べるといくぶん低い。調査期間前後の豪ドル/円相場は、円売りの流が強まる中で92円台から95円台へと上昇した。ただ、資源価格がやや軟調だったことなどから、6月8日に付けた7年ぶり高値(96.88円前後)にを前に伸び悩んだ。中国経済への不透明感も相まって、個人投資家は豪ドルに対して全面的に強気というわけでもなさそうだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が102.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は97.21円、安値の平均値は89.86円であった。なお、高値の中央値は97.50円、安値の中央値は90.00円だった。前回調査から概ね2~3円程度豪ドル高・円安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が57.3%であったのに対し、「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は12.4%であった。この結果、「ポンド/円予想DI」は△44.9%ポイントとなり、前回の△7.2%ポイントからプラス幅が急拡大した。調査期間前後の英ポンド/円相場は、円全面安の流れに乗って160円割れから167円台へと上昇した。ただ、英国のスタグフレーション(不況下の物価高)を巡る懸念が英ポンドの上値を抑えたため、月初来高値(168.724円)の更新には至らなかった。そうした中、円安と英ポンド安の綱引で英ポンド/円が「おおむね横ばい」で推移するとの回答も30.2%に上っている。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が178.00円、最安値が148.30円となり、高値の平均値は168.65円、安値の平均値は158.15円であった。なお、高値の中央値は169.00円、安値の中央値は158.08円だった。前月調査から概ね3~4円程度英ポンド高・円安方向にシフトした。
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が62.1%と最も多かった。次いで「円」が14.5%、「豪ドル」が4.8%と続き、さらに「ユーロ(3.6%)」、「英ポンド(3.4%)」、「メキシコペソ(2.7%)」などと続いた。個人投資家の間では米ドルの先高観が非常に強いことがあらためて確認できた。米ドルを買いたい理由としては「インフレを抑制するために今後も利上げが継続しそうだから」などと、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めを挙げる向きが多かった。そのほか「為替環境が不安定要因であふれている状況下で安全資産としてはドルが一番」との声もあった。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください
今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が64.6%と最も多かった。次いで「米ドル」が9.7%、「トルコリラ」が7.3%で、「ユーロ(6.6%)」、「英ポンド(3.1%)」、「中国人民元(2.5%)」、などと続いた。円の回答割合が圧倒的に多く、個人投資家の円先安観がきわめて強いことがわかった。日本円を売りたい理由としては「円(日本)だけ金融緩和を継続している」「日銀の緩和維持で海外との金利差は開く一方」などと、内外の金融政策の違いを挙げる向きが多かった。そのほか、「円はひとり負け」との指摘や「強くなる理由が見当たらない」との声も複数あった。
問7:年内にドル/円相場はどこまで上昇すると思いますか
今回の特別質問として、「年内にドル/円相場はどこまで上昇すると思いますか」と尋ねたところ、「138-140円」が30.5%と最も多かった。次いで「135-137円」が21.1%、以下「141-142円(12.3%)」、「145-146円(9.4%)」、「149-150円(6.2%)」、「143-144円(5.9%)」と続いた。問1、問5、問6の結果から個人投資家の姿勢がドル強気・円弱気に傾いていることは確認できるが、その割にドル/円相場の上値予想レートは控えめと言えるだろう。2022年末までまだ半年あまり残っているが、ドル/円は1998年8月高値の147.66円前後を超えられないとの見通しが8割前後に達している。
問8:円安が日本経済に及ぼす影響をどう考えますか?
今回のもうひとつの特別質問として、「円安が日本経済に及ぼす影響をどう考えますか」と尋ねたところ「プラスの面が大きい」と答えた割合は11.5%にとどまった。一方で「マイナスの面が大きい」は60.6%に上った。「全体として中立」は28.0%であった。FX個人投資家の間では、円安は日本経済にマイナスとの見方が優位であることがわかった。マイナスとした理由を自由記述形式で尋ねたところ「エネルギー価格の高騰」を挙げる向きが多く、「円安による物価高で消費が滞る」との意見が出ていた。そのほか、「一部の輸出企業に利益があっても、全体として給与所得が増えない」との指摘もあった。一方、円安はプラスと回答した向きからは「日本は外貨建て資産保有高が多い」「輸出やインバウンドがマイナスをカバーする」などとの声が挙がっていた。
今後の調査実施計画及び公表方針
本調査も第157回目となりました。調査開始から11年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央以降に公表する「外為白書」で紹介する予定です。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。