目次
▼ランド安となるも持ち直す
▼FRBの利上げ観測からくる市場の警戒感に注意
ランド安となるも持ち直す
南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと連動性が高い(第1図)。
FRBによる金融緩和正常化の加速や中国におけるコロナウイルス対策のためのロックダウンの長期化などが、世界経済に与える悪影響が警戒され、特に4月中旬以降は、中国人民元が大きく下落に転じるなど為替市場でもリスク回避地合いが強まった。独歩安の様相を呈して来た円の下落も一服する中、ランドは対ドルだけでなく対円でも下落基調に転じた。
一方、5月FOMCではパウエル議長が一度に0.75%の利上げは積極的には検討していないと述べ、市場の急速な利上げに対する警戒感がやや緩和。4月分の米国インフレ指標に鈍化の兆しがみられたこともあり、米10年金利が節目の3%を超えたところで上昇が一服、市場のリスク回避地合いが緩和し、足元ランドもドルや円に対して持ち直す兆しがみられている。
FRBの利上げ観測からくる市場の警戒感に注意
南アフリカ準備銀行(SARB)は、ジワリ強まる国内インフレ圧力を受けて、5月19日に市場予想通り0.5%の利上げを実施(第2図)。
国内経済指標には顕著な減速の兆候はまだ無く、今後も追加利上げが実施される見通しだ。米国のインフレ指標には鈍化の兆しがみられたが、前年比ベースで高止まりが続けば、FRBのタカ派スタンスに対する市場の警戒感が再び高まる可能性があり、ランドを含む新興国通貨への悪影響には引き続き警戒が必要だ。
(国際通貨研究所 上席研究員 橋本 将司 氏)
【南アフリカランド/円 日足】
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
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