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FX/為替見通し「ECBはタカ派のまま、ポンド/円の上限は167円半ばを予想」週刊為替レポート ハロンズ増刊号 ユーロ&ポンド 2022年04月17日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年04月15日 15時00分

ECBはタカ派のまま、ポンド/円の上限は167円半ばを予想

04月11日週のユーロ/円、ポンド/円は底堅く推移

日銀による大規模な金融緩和継続を巡る思惑から円が押し下げられたことが要因となりました。ユーロ/円は137.121円まで上昇幅を拡大。ただ、ECB理事会後に同行へのタカ派ムードが後退したため、135.514円付近へ失速する場面もありました。また、ポンド/円も底堅い展開に。円安やユーロ安の反動で下値が支えられ、165.219円(執筆時点)までレンジ上限を広げました。

ECBは依然タカ派

14日のECB理事会は、引き締めペース加速へのヒントがなく期待外れとの受け止め方が市場では多かったようです。しかし、声明文やラガルド総裁の会見からは、ウクライナ戦争による成長減速への警戒トーンが強まっている様子はなく、市場が反応したほどハト派なイメージはありません。今回のECB理事会をもってしてユーロの下攻めが再燃するとの見方は早計と考えます。ラガルド総裁が講演で資産購入の前倒し終了に言及すれば、ユーロ反発があっても不思議はありません。もっとも、足もとのファンダメンタルズは域内の景気後退を想起させる数字も散見されるため、ユーロの上値の重さが完全に払しょくされたとの見方も違うと考えます。加えて、仏大統領選挙への不透明感もあります。ユーロが下押しの反動から戻りを試しても、自ずと限界はありそうです。

仏大統領挙の情勢変化で荒れた展開も

10日に実施された第1回目の仏大統領選挙は得票率で50%を超える候補者が出ず、決選投票へもつれ込んでいます。1回目の投票の結果では、大方の予想通り現職のマクロン氏が27.8%を獲得し1位通過、そして極右のルペン氏が23.1%で2位は通過を果たしています。現時点での情勢はマクロン大統領がリードしていますが、選挙は水ものと言われるように結果が明らかとなるまで油断はできません。なんとなくですが、米国のトランプ前大統領が勝利した2016年に似た空気を感じます。
現在の仏国民の最大の関心時は物価高騰など日々の生活へ移っています。政府はガス料金、電力料金の値上げ抑制、低所得者向けの給付金支給など対策を打ち出していますが、十分ではなく国民の間に不満はくすぶっています。こうした時勢に、ルペン氏は富裕税の再導入、減税、年金支給開始年齢の引き下げなど低所得者層に焦点を当てた政策を掲げています。国民の不満を吸収出来れば、ルペン氏が善戦する可能性は十分にあります。仏選挙を巡る報道に一喜一憂して、ユーロが荒っぽい値動きとなることも考えられます。

BOE、5月利上げを引き寄せるのか

3月の英消費者物価指数コア・前年比は2月の5.2%から5.7%へ加速。3月の金融政策委員会でBOE(イングランド銀行)が利上げは「データ次第」としていましたが、インフレデータだけをみれば5月も追加利上げが実施される素地は十分にあります。しかし、2月の月次国内総生産(GDP)は0.1%と小幅な伸びにとどまっているほか、2月鉱工業生産や消費活動も精彩を欠き成長鈍化懸念が広がる中で、BOEが最終的にどのように判断するのかは微妙な情勢です。こうした現状に対して、ベイリーBOE総裁が何らかのヒントを提示するのか、21日の同総裁の講演内容に注目が集まりそうです。3月の金融政策委員会で0.25%利上げに賛成した同総裁が据え置きへ舵を切るようなら、5月会合への期待感が後退してポンド安へ傾く可能性はあります。上方向よりは、下方向への動きを警戒したいです。

ユーロ/円は21日線の支持力に注目

期間21の日足ボリンジャーバンドは縮小期に入っており、来週の値幅はそれほど広がらないと考えます。ただ、バンド幅が狭まったため、21日線とローソク足が接近してきているため、先ずは134.927円付近(執筆時点)を推移する21日線がワークするかどうかが着目されます。このレベルを割り込むようなら、134.000円付近まで下値が広がる危険はあります。上方向は138.000円程度がいいところではないでしょうか。

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:134.000-138.000

ポンド/円の上限は167.482円近辺か

かたやポンド/円は、もうひと伸びを期待。昨年9月中旬から今年3月中旬まで続いた148.952-158.217円のレンジをブレイクして上伸中です。仮に今回も同程度の値幅を形成するとして単純に当てはめると、167.482円が推計値となります。一気に、この水準へ到達するかははっきりしませんが、21日線の動向を眺めると全く無理な話とも言い切れません。高値掴みへに対する警戒は怠れませんが、調整した場面で押し目を拾うスタンスの方が無難なように感じられます。

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:163.000-167.500

04/18 週のイベント

4/20(水) -G20財務相・中央銀行総裁会議
4/20(水) -フランス大統領選挙の決選投票への進出を決めた2候補による討論会
4/20(水) 18:00 ユーロ2月 鉱工業生産
4/21(木) 18:00 ユーロ3月 消費者物価指数(HICP、改定値)
4/21(木) 23:00 ユーロ4月 消費者信頼感(速報値)
4/21(木) 25:30 イギリス ベイリー英中銀総裁、講演
4/21(木) 26:00 パウエルFRB議長、ラガルドECB総裁、パネル討論会参加
4/22(金) 15:00 イギリス 3月 小売売上高
4/22(金) 16:30 ドイツ 4月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 16:30 ドイツ 4月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 17:00 ユーロ 4月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 17:00 ユーロ 4月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 17:30 イギリス 4月 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 17:30 イギリス 4月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
4/22(金) 22:00 ユーロ ラガルドECB総裁、講演
4/24(日) フランス 大統領選、決選投票

一言コメント

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