ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・北アイルランド議定書を巡り1月24日にシェフチョビッチEU副委員長とトラス英外相が面談をし、建設的な協議が出来たとのこと。今後も問題解決に向け協議を続けることになった。
・3月17日にイングランド中銀（BOE）は政策金利を0.75%に利上げ。
・金融政策委員会（MPC）メンバーの9人中1人は据え置きを支持。
・英2月失業率（ILO方式）は3.8%と前回（3.9%）から改善。賃金上昇率も+4.0％と前回（+3.8%）を上回った。
・英2月消費者物価指数（CPI）は前年比+6.2%と予想の同+6.0%と前回の英1月消費者物価指数（前年比+5.5%）からインフレは更に加速。1992年3月以来30年振りの高水準となった。本日4月13日に3月分発表！予想は前年比+6.7%とインフレ加速。
・英2月小売売上高（除自動車）は前年比+4.6%（前月の同+7.2%）、2月鉱工業生産は前年比+1.6%（前月は同+2.3%）から減速。
・英2月月次GDP（国内総生産）は+0.1%と前月の+0.8%から減速。
今日のメインシナリオ
ポンド/円、止まらないインフレを前にBOEは様子見が許されない状況
昨日の英2月失業率（ILO方式）で3.8%と前月の3.9%から改善。ついに新型コロナウイルスのパンデミックが始まる前（2019年12月）の水準まで低下してきた。本日は、注目の英3月CPIの発表が控えている。2月のインフレ率は前年比+6.2%と30年ぶりの伸びを記録し、今回は前年比+6.7%とインフレがさらに加速することが予想されている。
賃金上昇率がインフレ率を大幅に下回っている現状で、考えられるのは3パターン
①予想以上に強い結果となれば、政策金利を上げることは家計への負担を大きくさせるものとなるが、BOEはインフレ退治を優先するのではないだろうか。
②予想とほぼ変わらなければ、5月5日のBOEでは予想通り0.25%の利上げ。
③予想以下となれば、ウクライナ情勢の長期化懸念が台頭していることもあり、5月のBOEでは利上げ見送り。
ポンドの反応としては、①ならポンド買い。②、③ならポンド売りが初動となるのではないだろうか。
個別の想定シナリオ
■英3月CPIが予想とほぼ変わらない
⇒5月にBOEによる利上げは予想通り0.25%を織り込む
⇒材料出尽くしでポンドは一旦売り
⇒日銀は金融緩和継続なので最終的にはポンドは買い戻される
⇒ポンド/円を支える一因
チャート分析
注目材料
15:00 英3月CPI
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は晴れ、ポンド/米ドルは曇り空に太陽が覗いている。ポンド/円の移動平均とMACDは12時に買いサインが点灯。
【情報提供：外為どっとコム】
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ポンド ちょい足し情報
英国のジョンソン首相やスナク財務相が2020年～2021年のロックダウン期間中に、コロナ規制に違反するパーティー（飲酒あり）を十数回にわたり開いていた疑惑。ロンドン警視庁から捜査を受けていましたが、このほどお二人は「罰金を科す」との通達を受けたそうです。疑惑発覚直後にはウクライナ情勢の悪化で逃げ切った感のあるジョンソン首相。今回も野党などから辞任要求が出ているようですが、今回も逃げ切りそうです。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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