豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪2021年第4四半期 消費者物価指数(CPI)は前年比+2.6%(トリム平均)と豪中銀(RBA)の目標レンジ(2~3%)の中央値を突破。
・RBAがCPIのほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年第4四半期前年比+2.3%(最新)。
・4月5日のRBA理事会で政策金利は0.10%で据え置いたが、声明文からインフレの高騰に対して「忍耐強く対応する」の文言が削除された。
・中国、一部都市ロックダウンにより景気回復に遅れの可能性浮上。上海市は当初予定していたロックダウン解除を延期し、4月5日以降も継続。
・2月分の豪雇用者数は7.74万人増と大幅増。失業率は4.0%と2008年2月、同年8月に並ぶ13年ぶりの低水準(統計開始史上最低)。
・WTI原油価格は4月6日に国際エネルギー機関(IEA)加盟国が石油備蓄の協調放出に合意した影響から、一時1バレル=93ドル台まで下落したが96ドル台まで戻す(4月7日)。
・日銀は4-6月の国債買入れの増額を発表。
・新型コロナオミクロン株の亜種「XE」発見。現時点では相場への影響は出ていない。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円、ロシア産エネルギー資源禁輸により下値を支えられる。
4月6日にIEA加盟国が石油備蓄の協調放出に合意したことで原油価格は調整が入った。ただ、EUは対露制裁でロシア産石炭の禁輸を含むことで合意。米国上院下院両議会は7日にロシア産原油の禁輸を可決した。日本もロシア産石炭の輸入制限を行う見通しとなっており、オーストラリア産石炭への需要増が見込まれる。原油価格は調整が入っているものの、世界第3位の産油量を誇るロシア産原油の減少分をおいそれと増産して補える国はない。そのため、原油逼迫懸念から原油価格はの下落は続かないとみている。資源価格の下落が一服すれば、利上げ前倒し期待が強まっている豪ドルは特に対円で買いが集まりそうだ。
個別の想定シナリオ
■欧米などがロシア産エネルギーを禁輸
⇒原油をはじめとしたエネルギー資源の逼迫懸念
⇒エネルギー価格は底堅い
⇒豪ドル/円は底堅く推移
チャート分析
今後の注目材料
コモディティ価格動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに快晴となっている。豪ドル/米ドルの移動平均で7時に買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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