動画配信期間:2022/3/2~
銀行ディーラー時代の輝かしい実績を持つ「マット今井」こと今井雅人氏による恒例の経済・為替相場の解説セミナーです。
各通貨の具体的な展開を今井節で明快に解説します。
(0:32頃から)
現在の市場はウクライナ情勢一色となっています。もう一度簡単にその背景を整理します。まず、ウクライナは旧ソ連邦のいち国家であった点です。ロシアから見るとウクライナは同じ国との認識があります。また、米露間で「NATO加盟国を東ヨーロッパに拡大しない」との口約束もあったようですが、どんどん東に拡大しました。これらがロシアにとって脅威に映ったと考えられます。
(5:41頃から)
金融市場にとって大きな出来事は、ロシアの金融機関の一部が、SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除されたことです。
リーマンショックを例にしますと、リーマンブラザーズが倒産した際、取引関係のある金融機関はリスク資産を多く持つところが多かったため、ほかの金融機関の経営をも揺るがすこととなり、皆が信用不安に陥り疑心暗鬼が広がり市場が大きく崩れました。
今回のことはリーマンショックほどではないが、大きな影響が懸念されました。当初欧米の金融機関はそのことを懸念していましたが、ロシアの軍事侵攻によりやむなく排除に至りました。
(18:32頃から)
ウクライナ情勢の次に考えるのは、金融政策です。今月はFOMC、ECB、BOEがあります。FOMCでは利上げはほぼ確実な情勢ですが、利上げ幅をどうするかと、今後のインフレ見通しに注目です。BOEはすでに利上げをしているので今回も利上げを実施すると予想します。ECBについては、金融引き締めに積極的な発言が出るとユーロ上昇が予想されますが、個人的には戻り売り場と見ています。
(29:32頃から)
今回の出来事で特徴的なのは「ドル/円は動かない」「ユーロが下落」「オセアニア通貨が買われる」の3つであり、市場では全体的なリスクオフの動きは起きていないと言えます。各国はこれから金利を上げるため商品市場はすぐに下がりそうになく、ウクライナ情勢が膠着となると今の流れがしばらく続く可能性があります。もっとも、確定的なことはわからないので、その場の動きに対応することが重要です。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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