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「米利上げの織り込み進む 」外為総研 House View ドル/円・ユーロ/円 2022年2月

【外為総研 House View】

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目次

▼ドル/円
・ドル/円の基調と予想レンジ
・ドル/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月のドル/円ポジション動向
・2月の日・米注目イベント
・ドル/円 2月の見通し

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 1月の推移
・1月の各市場
・1月のユーロ/円ポジション動向
・2月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 2月の見通し

ドル/円

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円の基調と予想レンジ

ドル/円 1月の推移

1月のドル/円相場は113.466~116.347円のレンジで推移し、月間の終値ベースでほぼ横ばいだった。

日本の正月明けとなった4日の東京市場で前年高値(115.52円前後)を上抜けると、この日の海外市場では116.35円前後まで急伸した。米連邦準備制度理事会(FRB)など、多くの中銀が金融政策の正常化を模索する中、日銀は大規模緩和を長期間維持するとの見方から円が独歩安となった。

ただ、FRBの早期利上げや利上げペースの加速に対する警戒感が浮上すると、世界的に株価が崩れたため円は上昇に転じ、14日には113.40円台へと反落。24日にも113.40円台へと下落する場面はあったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にドルの下値は堅かった。FOMCはパウエルFRB議長の会見も含めて「想定以上にタカ派的」と受け止められドルが上昇すると、翌27日には115円台を回復。31日終値は115.12円前後となり、ほぼ「寄り引き同値」で1月を終えた。

ドル/円1月の推移1月のドル/円4本値
出所:外為どっとコム

5日
FOMCは12月会合の議事録で「従来の想定より早い時期に、また速いペースで利上げすることが正当化されるかもしれない」とし、ほぼすべての参加者が「利上げ後のある時点で、バランスシートの縮小を始めるのが適切である可能性が高い」との考えに同意した事が明らかになった。

7日
米12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が19.9万人増にとどまった(予想45.0万人増、前回24.9万人増)一方、失業率は3.9%に低下した(予想4.1%、前回4.2%)。平均時給は前年比+4.7%だった(予想+4.2%、前回+5.1%)。ドル/円は週末を控えた持ち高調整の動きも相まって下落した。

10日
米10年債利回りが2年ぶりに1.80%台へと上昇するなど、FRBの利上げペース加速が意識される中、NYダウ平均は一時600ドル近く下落。ドル/円はクロス円の下落に連れて115.04円前後まで下値を切り下げた。なお、パウエルFRB議長が翌日に上院銀行委員会で行う指名承認公聴会の原稿が公開され、「経済と力強い労働市場を支えるとともに、インフレ高進が定着するのを防ぐため、我々は手段を活用する」などと証言する事が明らかになった。

12日
米12月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.5%、前年比+7.0%(予想+0.4%、+7.0%)と概ね予想通りの伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+5.5%(予想+5.4%)だった。なお、CPIは前年比の伸びが1982年6月以来、コアCPIは1991年2月以来の高さとなった。ただ、インフレはピークを付けたとの見方が広がり、CPI発表後はドル売りが活発化した。

14日
一部報道で「日銀は物価目標を達成する前に利上げが可能か議論を始める可能性がある」と伝わり円買いが先行。米12月小売売上高の低調な結果を受けてドルが売られると113.48円前後まで下落した。しかし、ドル売りが一巡すると、米長期金利の持ち直しとともに反発。米12月小売売上高が前月比-1.9%と予想(-0.1%)を下回る落ち込みとなったのは、品薄や配送の遅れを懸念した消費者が、年末商戦の買い物を11月のブラックフライデー以前に前倒しした影響と見られ、FRBの金融政策正常化プランに影響しないとの見方が広がった。

18日
黒田日銀総裁は金融政策の据え置きを決めた会合後の定例会見で、一部の観測報道で伝わった物価目標達成前の利上げの検討について「全く議論していない」と一蹴。為替についても「現状は『悪い円安』とは考えていない」と改めて表明した。

26日
FOMCは政策金利(0.00-0.25%)の据え置きを決定。声明では「FF金利の引き上げが間もなく適切になると見込んでいる」と表明。また、資産縮小(量的引き締め=QT)については「利上げ開始後に始める」とした。パウエルFRB議長は会見で「状況が適切であれば3月会合でFF金利を引き上げることを意識している」と言明。QTに関しては「前回より早期で急速となる可能性がある」と述べた。また、毎回のFOMCで利上げを検討するのかとの質問に対しては、その可能性を否定しなかった。

27日
米10-12月期国内総生産(GDP)・速報値は前期比年率+6.9%と、市場予想(+5.5%)を上回った。GDPで最も大きな部分を占める個人消費は+3.3%と予想(+3.4%)に届かなかったが、輸出(+24.5%)などがカバーした。なお、2021年通年の米GDPは前年比+5.7%となり、37年ぶりの高い伸びを記録した。

1月の各市場

米2・10年債利回り

日経平均、NYダウ平均

1月のドル/円ポジション動向

1月のドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
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  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

2月の日・米注目イベント

2月の日・米注目イベント

ドル/円 2月の見通し

1月のドル/円相場はおおむね「寄り引き同値」で引けた。5年ぶりに116円台へと上昇したが早々に失速。一方、世界の株価が大幅に値崩れを起こしても113円台半ばの下値は堅かった。月足の型は気迷い商状を示す「十字線」となっており、2月相場で改めて方向感を模索する事になりそうだ。

2月相場も1月と同様に方向感が出にくいと考えられるが、どちらかといえば1月の取引レンジである113.47~116.35円前後を上抜ける可能性のほうが高いのではないだろうか。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の3月利上げを完全に織り込み済みで、その後の追加利上げについても年内合計で1%以上の引き上げがすでに織り込まれている。このため、ドルの上昇余地はそれほど残っていないのかもしれない。とはいえ、これから複数回の利上げを行おうとする国の通貨を持ち高解消以外の理由で積極的に売る投資家は少ないだろう。少なくとも、日銀が大規模金融緩和を長期間維持する方針を表明している円に対してドルを売り持ちにする投資家は限られよう。米FRB以外にも、金融政策の正常化を模索する中央銀行が増える中、日銀の緩和維持スタンスが強く意識されれば円売り主導でドル/円が上昇する可能性はあるだろう。

もっとも、今や本邦最大の投機主体になったと考えられるFX個人投資家勢は、115円台後半から116円台前半にかけて逆張り的なドル売り・円買いオーダーを並べている。これらがドル/円の上値を阻む事も考えられそうだ。
(予想レンジ:113.500-117.000円)

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 1月の推移

1月のユーロ/円相場は128.248~131.595円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.3%下落(ユーロ安・円高)した。

ドル/円急伸の影響などから月初はユーロ買い・円売りが先行。5日には約2カ月ぶりに131.60円前後まで上昇した。しかし、ラガルド欧州中銀(ECB)総裁らがハト派発言を繰り返す中でユーロの上値は重くなった。その後は、米国の早期利上げ観測によるドル高や、世界的な株安を受けた円高の影響でユーロ安が進行。18日に終値で130円台を割り込むと、21日には129円台も割り込んだ。ウクライナ情勢の緊迫化を受けてユーロ圏へのエネルギー供給が不安視された事から25日には、前年12月21日以来の安値となる128.25円前後まで下値を拡大した。

ユーロ/円1月の推移

1月のユーロ/円4本値
出所:外為どっとコム

4日
独12月失業率は5.2%、同失業者数は2.30万人減と、予想(5.3%、1.50万人減)より良好な結果となった。欧米株高や原油高でリスクオンの流れが強まった事もあってユーロ高・円安に振れた。

7日
ユーロ圏12月消費者物価指数(CPI)・速報値は前年比+5.0%と市場予想(+4.8%)を上回り、統計開始の1997年1月以降で最大の伸びとなった。

11日
レーンECB専務理事は、インフレ率が2023年、24年にECBが目標とする2%を下回るとの見方を示した上で「手元にあるデータは、利上げの条件が今年満たされる可能性がきわめて低い事を示している」と述べた。なお、これより後にラガルドECB総裁は「多くの人が物価上昇を懸念している事を理解しており、その懸念を深刻に受け止めている」とし、「しかし、物価安定に対する我々のコミットは揺るぎない」「インフレ期待をしっかり固定し、通貨の信認を得るためにそれが重要である事を人々は信頼する事ができる」と語った。

14日
ユーロ圏11月貿易収支は、季節調整済みで13億ユーロの赤字となり、2011年10月以来約10年ぶりの赤字を記録。市場予想は15億ユーロの黒字だった。石油・ガスの輸入価格が高騰した事が予想外の貿易赤字の背景となった。

18日
独1月ZEW景気期待指数は51.7と予想(32.0)および前回(29.9)を大幅に上回った。新型コロナの流行が過ぎれば独景気の回復が加速するとの見通しが示された。ただ、ユーロはほとんど反応を示さなかった。その後は、米国の早期利上げへと利上げペース加速への警戒感から米国株が下落したため、ユーロ安・円高が進んだ。

20日
独12月生産者物価指数は前年比+24.2%と市場予想(+19.3%)を上回り過去最高の伸びを記録。石油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が響いた。その後、ラガルドECB総裁は、エネルギー価格の上昇や供給制約といったインフレ要因が緩和される事で、ユーロ圏の物価は今後1年間で徐々に低下していくとの見解を示した。一方、ECB議事録(12月16日分)では、「金融引き締めに向けた門戸を開いておくべきだ」と、一部の当局者が主張していた事が明らかになった。

24日
独1月製造業PMI・速報値は60.5、同サービス業PMI・速報値は52.2と揃って予想(57.0、48.0)を上回った。続いて発表されたユーロ圏1月製造業PMI・速報値は59.0、同サービス業PMI・速報値は51.2(予想57.5、52.0)だった。ウクライナ情勢を巡る懸念から欧州株が下落する中で、ユーロのPMIへの反応は限定的だった。

25日
独1月Ifo企業景況感指数は95.7と予想(94.5)を上回った。内訳の期待指数が前月の92.7から95.2へと上昇しており、独企業が先行きの見通しを強めている様子が窺えた。

28日
独10-12月期国内総生産(GDP)は前期比-0.7%と予想(-0.3%)を下回った。個人消費の縮小がGDPの押し下げに寄与しており、新型コロナ変異株「オミクロン」の感染拡大が独経済の重しとなったと見られる。

1月の各市場

日経平均、独DAX

独2・10年債利回り

1月のユーロ/円ポジション動向

1月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

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2月のユーロ圏注目イベント

2月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 2月の見通し

ユーロ圏の12月のインフレ率(消費者物価の前年比上昇率)は5.0%と過去最大の伸びを記録。2月2日に発表される1月のインフレ率は4.4%に減速する予想となっているが、欧州中銀(ECB)のインフレ目標である2%を大幅に上回る状態で高止まりする見通しだ。そのECBは3日に理事会を開く。政策金利は現状維持の公算だが、ラガルド総裁のインフレに対する見方・姿勢が注目されよう。総裁は1月に「インフレの主因はエネルギー価格の高騰」であり、「2022年には緩やかに鈍化する」との見通しを繰り返し表明してきた。

ただ、足元ではウクライナ情勢の悪化によってエネルギー価格の上昇が続く可能性を排除できなくなっている。欧州連合(EU)はロシア産天然ガスへの依存度が高く、仮に欧米が対ロシア制裁の強化に踏み切ればユーロ圏の天然ガス価格はさらに高騰すると考えられる。こうしたリスクを踏まえラガルド総裁がインフレ見通しを引き上げるようなら、市場はECBの「利上げ前倒し」を意識する事になろう。1月のユーロ相場は、ECBのハト派スタンスと米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派スタンスという金融政策の格差を手掛かりにユーロ安(ドル高)が進んだだけに、2月はその反動によるユーロ高があってもおかしくなさそうだ。
(予想レンジ:127.000-132.000円)

神田 卓也

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