目次
▼17日週のドル円は買い先行後に失速
▼米FOMCはタカ派にふりきれるのか
▼金融政策だけじゃない
▼90日線割れなら、三役逆転が目前に
▼1/24 週のイベント
▼一言コメント
90日線割れなら三役逆転が目前?、112円台前半までの余裕を
17日週のドル円は買い先行後に失速
日銀会合に対する過度なタカ派観測が後退し前半は円売りが優勢に。日銀会合後にドル円は115.055円まで上値を伸ばしました。しかし、その後は米FOMCでの米タカ派バイアスを見極めたいとの思いや、地政学リスクから積極的な取引は細り、ドル円は113.60円台(執筆日時 1/21 14時)まで押し戻されるなど、上値の重さが意識される格好になりました。日銀は、これまで「下振れリスクの方が大きい」としてきた物価見通しを「概ね上下にバランスしている」と判断を半歩前進させましたが、大規模緩和を維持するなど最低限の変更にとどめました。
米FOMCはタカ派にふりきれるのか
来週は民間調査による米1月総合購買担当者景気指数(24日)、同FOMC(25-26日)、同10-12月期四半期実質国内総生産(26日)、同12月個人消費支出(28日)と注目度の高いイベントが続きます。最大のイベントはFOMCで、3月の利上げ幅が0.5%になるのではとの思惑が燻るなか、米金融当局がどこまでタカ派に振りきれるのかがポイントだろうと感じています。タカ派化が進めば、日米金融当局の温度差拡大からドル高・円安補強がもっとも描きやすいシナリオとなるでしょう。
しかし、足もと金利上昇が株価押し下げ要因となっている点や、これまで発表された企業決算における見通しが慎重である点を踏まえると、市場の反応はそう単純にいかないかもしれません。また、前後して発表される指標によっては、思いのほかタカ派にふれなかったFOMCに対して、市場側が利上げ催促姿勢を強める格好となったり、逆にFOMCの行き過ぎたタカ派センチメントを冷やす構図になったりと、想定される値動きは複雑となる可能性があります。各々の結果に一喜一憂する展開も念頭に置いておきたいです。
金融政策だけじゃない
市場の視線はもっぱら日本を除く主要国の金融政策の行方に向いていますが、視線を少し広げれば極東アジア、中東、欧州などの地政学リスクがあることも忘れてはいけないでしょう。ロシアが冬場に戦闘を仕掛けるような愚かなまねはしないと思いたいですが、事態が深刻化していることは間違いなく、特に東欧情勢は目が離させないように思えます。加えて、中国のコロナ感染症拡大も気がかりです。2年前に中国を発端にして世界を混乱させたコロナ感染症が再び中国で大爆発するようなら、持ち直しかけている世界経済へのインパクトも相応にはあるでしょう。以上を踏まえると、円安一辺倒の勝負やこの間の反発局面を眺めて安易に押し目を拾うのも危険なように感じます。超短期で資金を絞って、臨機応変に対応し時には売り仕掛けを考える必要もあるかもしれません。
90日線割れなら、三役逆転が目前に
前回は113.62円付近を上昇中の90日移動平均線に支えられて115円台まで切り返しましたが、その後はじりじりと上値を切り下げ113円半ばへ失速しています。一目均衡表・雲上限(113.863円)や90日線を終値ベースで引けていないため、何とか下値は支えられていますが、終値ベースで下回ってくれば113.00円割れがみえてきそうです。
しかも、一目均衡表は転換線と基準線がすでに逆転状態であるほか、一目の雲も厚みが薄いゾーンに突入する時期で、一気に三役逆転の状態となり地合いの悪化が進む危険もあります。113.80円付近までは押し目買いでついていっても、113.50円を割り込んだらいったん売りに転じる必要はありそうです。押し目を拾うなら、112円台まで待った方が良いのではないでしょうか。
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:112.00-115.00
1/24 週のイベント:
1/24 (月)23:45米国1月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
1/24 (月)23:45米国1月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
1/24 (月)23:45米国1月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
1/25 (火)23:00米国11月住宅価格指数
1/25 (火)24:00米国1月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
1/26 (水)08:50日本12月企業向けサービス価格指数
1/26 (水)22:30米国12月卸売在庫
1/26 (水)24:00米国12月新築住宅販売件数
1/26 (水)28:00米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
1/26 (水)28:30米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
1/27 (木)22:30米国12月耐久財受注
1/27 (木)22:30米国新規失業保険申請件数
1/27 (木)22:30米国失業保険継続受給者数
1/27 (木)22:30米国10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
1/27 (木)22:30米国10-12月期四半期GDP個人消費・速報値(前期比年率)
1/27 (木)22:30米国10-12月期四半期コアPCE・速報値(前期比年率)
1/28 (金)08:30日本1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
1/28 (金)22:30米国10-12月期四半期雇用コスト指数
1/28 (金)22:30米国12月個人所得
1/28 (金)22:30米国12月個人消費支出(PCEデフレーター)
1/28 (金)24:00米国1月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
(執筆:小野 直人)
一言コメント:
一言コメント:自身の方向性を変えたとたんに相場が逆方向に向かうのは、“相場のあるある”なんでしょうけど、こうも見事にはまるとは…。改めて自分自身に対してあきれるばかり。こうなると、戻り高値の判断も遅れて売りそびれてしまう悪循環。しばらくは、おとなしく相場を眺めた方がよさそうです。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。