“金利高、ドル安、株安。”

f:id:okinawa-support:20190819165949j:plain

 

年明けの為替市場でドル・円相場は12月のFOMC.以降、より一層顕著になったFRB.の利上げモードにより凡そ5年ぶりの高値である116.34を付けたが、実需の輸出筋と利食いのドル売りに頭を抑えられて今週に入って115円台で割合静かに推移している。

5日に発表された12月のFOMC.議事要旨において、多くの参加者が利上げ開始の条件となる“最大雇用”の達成が近いと認識して従来の想定より早期かつ速いペースでの利上げが正当化されるとみていたことなどが明らかとなり、米国長期債利回りは上昇ピッチを速め、10年債利回りは昨日一時1.8%台を付けた後1.755%で引けた。

年初1月4日に史上最高値を更新したナスダックとS&P.は金利上昇=株価下落と言う2021年には見られなかった“教科書的な動き”を見せて下げに転じて各々5.7%、2.5%の大きな下げで週を終えた。
金利上昇により収益改善が見込まれる金融株を擁するダウは4日連続で下げたものの、週ベースでは1.0%の下げに留まった。

興味深いのは米国金利上昇による金利差拡大の思惑でドルが上昇するかと思いきや、上述した様にドル・円は高値から1円以上下げ、対ユーロ、対ポンドでもドルは下げている。

f:id:okinawa-support:20220111175836p:plain



このレポートで何回か、“2022年はファンダメンタルズ(米国金利上昇)対地政学リスク(香港、ウクライナ、イラン情勢の緊張や新型コロナ・ウィルス問題)の綱引きとなり、基調はドル高&円安であるが突然のドル安&円高にも備えなければならないと言う難しい年になりそうである。”と述べてきたが、年の始まりの週から既にその様な動きとなり、金利上昇にも拘わらず新型コロナ・ウィルスの変異株であるオミクロン騒動によるリスク・オフの動きとなっている感じがする。

ドル・円の116円超えでは実需の輸出筋と、利食いのドル売りが出た。

永らくドルの買い持ちを保持していた我が国の個人投資家も一転して前週の3億ドルの買い持ちから、先週は3億ドルの売り持ちに転じた。
先々週からは凡そ20億ドルのドル売りを行ったことになる。

1日当たり凡そ40億ドルと言われている東京外為市場のドル・円の取引額から比べてみても決して小さな金額ではないし、今や東京外為市場の出来高の最大シェアーを誇る我が国の個人投資家の取引状況は、カウンター・パーティーとなる相対の金融機関に相当な影響を与えることは想像に難くない。
言い換えれば我が国の個人投資家の売りに乗じて自らもドル売りに転じた金融機関は多い筈で、これが米金利上昇にも拘わらずドルの頭が重い理由であろうか?

我が国の個人投資家の取引パターンとして、基本的にドルの買い持ちポジションを保持しておいて相場が上昇すると一旦利食ってドルの売り持ちに転じた後、相場が落ち着くと再びドル買いに転じる傾向が多い。
2021年10月第2週にドル・円相場が109円~111円のレンジを上切った折に瞬間約14億ドルの売りに転じたが、その後相場が113円台で落ち着き始めたら再び大きくドルの買い持ちに転じた。

そして先週116円台を付けた後ドルの売り持ちに転じたが、再び115円台で落ち着きを取り戻したら彼らがドテンしてドルの買い持ちに転じても不思議ではない。

因みに順張り(相場が上がると追っ掛けて買う。)を得意とするシカゴ・IMM.は米金利上昇を背景に全く動じることなく約70億ドル相当の円の売り持ち(ドルの買い持ち)を保持している。

今週は、114円~116円の新たなレンジの底固めの週となろうか?

テクニカル分析の見立ては市場のドルの買い過ぎを警戒してか、115円を下切れるようであれば更なる下落を予想する。
その意味でも一旦ドルの売り持ちに転じた我が国の個人投資家の動向が注目される。

top