読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

「円売り地合い継続の公算」外為総研 House View ポンド/円・豪ドル/円 2022年1月

【外為総研 House View】

f:id:gaitamesk:20190814134002p:plain

目次

▼ポンド/円
・ポンド/円の基調と予想レンジ
・ポンド/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月のポンド/円ポジション動向
・1月の英国注目イベント
・ポンド/円 1月の見通し

▼豪ドル/円
・豪ドル/円の基調と予想レンジ
・豪ドル/円 12月の推移
・12月の各市場
・12月の豪ドル/円ポジション動向
・1月の豪州・中国注目イベント
・豪ドル/円 1月の見通し

ポンド/円

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円の基調と予想レンジ

ポンド/円 12月の推移

12月のポンド/円相場は148.980~156.006円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.4%上昇(ポンド高・円安)した。

3日に148.98円前後まで下落して約2カ月半ぶりの安値を付けるなど、上旬は150.00円を挟んだ下値もみ合いの展開だったが、中旬以降下旬にかけて上昇の流れが強まった。15日の英11月消費者物価指数が予想以上に上昇し、16日には英中銀(BOE)がどちらかと言えば予想外の利上げに動いた事で一時152円台を回復。その後も、英国の新型コロナウイルス感染者が急増した事で弱含む場面もあったが、新型コロナ変異株「オミクロン」は重症化率が低く、既存ワクチンも有効との楽観的な見方が広がる中で再び上昇基調を強めた。

欧米のクリスマス休暇中も短期筋のショートカバーと見られる動きで上昇が続き、27日には154円台、29日には155円台、31日には156円台と相次いで高値を更新。最終的には155.67円前後で2021年の取引を終えた。

ポンド/円 12月の推移

ポンド/円 12月の4本値
出所:外為どっとコム

8日
英政府関係者の話として「オミクロン株の感染拡大を抑制するため、ジョンソン首相は新たな規制をイングランドで導入する」との報道が伝わるとポンドが下落。その後、ジョンソン首相は在宅勤務の推奨や大半の屋内公共空間でのマスク着用と大規模イベントにワクチンパスポートの活用を義務付けるコロナ対策の強化を発表した。しかし、米ファイザー社が、新型コロナ変異株「オミクロン」に対しても従来のワクチンが有効とする初期実験の結果を発表した事でポンドは下げ渋った。

10日
英10月鉱工業生産は前月比-0.6%と予想(+0.1%)に反して低下。英10月貿易収支は139.34億ポンドの赤字となった(予想144.00億ポンドの赤字)。英10月国内総生産(GDP)は前月比+0.1%と予想(+0.4%)を下回った。

13日
英国で初の新型コロナウイルス変異株「オミクロン」感染による死者が確認された事でポンドが下落。ジョンソン英首相は前日に「英国はオミクロン変異株感染の高波に直面している」と警告していた。「オミクロン」の感染拡大によってBOEが15-16日の金融政策委員会(MPC)で15bp(0.15%)の利上げを行うとの観測が後退した事もポンドの重しとなった。

14日
英11月失業率は10月の5.0%から4.9%に低下。同失業保険申請件数は前月比4.98万件減であった。8-10月の国際労働機関(ILO)基準の英失業率は4.2%(予想4.2%、前回4.3%)、英8-10月週平均賃金は前年比+4.9%と予想(+4.6%)を上回る伸びとなった。

15日
英11月消費者物価指数は前月比+0.7%、前年比+5.1%と予想(+0.4%、+4.8%)を上回る伸びとなった。同小売物価指数も前年比+7.1%(予想+6.7%)、同生産者物価指数も前年比+9.1%(予想+8.2%)と高い伸びを記録した。

16日
BOEは政策金利を15bp(0.15%)引き上げ0.25%にすると発表。資産買い入れプログラムの規模は8950億ポンドに据え置いた。議事録では利上げが8対1の賛成多数で決まった事が明らかになった。また、MPCメンバーは、インフレ率が4月に6%前後でピークに達するとの見通しを示した上で「緩やかな引き締めが必要になる可能性が高い」との見解を示した。英国内で新型コロナ変異株「オミクロン」の感染が拡大しており、一部で行動制限措置が再開されたばかりとあって、BOEが政策金利を0.10%に据え置くとの見方が多かっただけに、利上げの発表を受けてポンドが急伸した。

17日
英11月小売売上高は前月比+1.4%と予想(+0.8%)を上回った。ただ、新型コロナ変異株「オミクロン」の感染拡大前のデータとあってポンドは反応薄だった。なお、この日英政府は新型コロナの前日の新規感染者が8.8万人に上ったと発表した。

22日
英7-9月期GDP・改定値は前期比+1.1%と、速報値(+1.3%)から下方修正された。個人消費は前期比+2.7%に上方修正された(速報値+2.0%)一方、政府支出や輸出が下方修正された事が影響した。

23日
英国では新型コロナウイルスの新規感染者が12万人に迫り過去最多を更新。それにもかかわらずポンドは欧州市場で上昇した。英保険安全保障庁はこの日、オミクロン株感染者が入院に至る確率はデルタ株と比べて50-70%低く、救急治療が必要になる確率も31-45%下回るとの分析結果を発表した。また、英製薬大手アストラゼネカは、既存の新型コロナワクチンがオミクロン株にも有効とするデータを公表した。

12月の各市場

12月の日経平均、FTSE100

12月の英2・10年債利回り

12月のポンド/円ポジション動向

12月のポンド/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の英国注目イベント

1月の英国注目イベント

ポンド/円 1月の見通し

2021年のポンド/円相場は約10.3%上昇。ポンドは対ユーロでも約6.3%上昇するなど、強い通貨のひとつではあったが、最強通貨のドルに対しては約1.0%下落した。欧州連合(EU)から離脱した英国にEU法が適用される「移行期間(2020年12月31日まで)」を終えても英経済に明確かつ甚大なダメージがなかった事や、英政府が新型コロナウイルスとの共存を掲げて「ウイズ・コロナ政策」をいち早く打ち出した事、さらには英中銀(BOE)がインフレ対応として金融政策の正常化に動いた事などがポンドを支援した。

一方で、大型経済対策の効果も相まって景気回復期待が根強く、年後半には早期引き締め期待も浮上した米国のドルはポンド以上に強かった。ドル>ポンド>ユーロ>円の不等式で示される各通貨の強弱関係は2022年初頭も簡単には崩れそうにない。

1月のポンド/円相場も底堅い動きが見込めよう。次回2月3日のBOE金融政策委員会(MPC)では、0.50%への追加利上げが5割以上織り込まれており、次々回3月17日のMPCでは同水準への利上げがほぼ完全に織り込まれている。そうした利上げ期待がポンド/円相場の下値を支える公算が大きい。英国で感染が拡大している新型コロナ変異株「オミクロン」の影響で一時的にポンドが下落する事はあっても、英政府がロックダウン(都市封鎖)などの厳しい行動制限措置を取らない限り、ポンドの下値は限定的だろう。
(予想レンジ:153.000-160.000円)

豪ドル/円

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円の基調と予想レンジ

豪ドル/円 12月の推移

12月の豪ドル/円相場は78.784~83.752円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.8%上昇(豪ドル高・円安)した。

3日の米11月雇用統計発表後に78.78円前後まで下落する場面もあったが、豪中銀(RBA)が、利上げには慎重ながらも豪州経済の先行きに楽観的な見方を示した7日を最後に80円台を割り込むことなく底堅く推移した。16日には豪11月雇用統計の好結果を受けて一時82円台を回復。

その後も、新型コロナ変異株「オミクロン」を巡る過度な懸念が後退した事で市場のリスク選好ムードが広がる中、豪ドル高が進行。クリスマスから年末にかけての閑散相場の中でも上昇が続き、27日に83円台を回復すると30日には約1カ月半ぶりに83.75円前後まで上伸した。

豪ドル/円 12月の推移

豪ドル/円 12月の推移
出所:外為どっとコム

1日
豪7-9月期国内総生産(GDP)は前期比-1.9%(予想-2.7%)となった。ロックダウン(都市封鎖)の影響は想定よりも小さかった。前年比でも+3.9%と予想(+3.0%)を上回った。

2日
豪10月貿易収支は112.20億豪ドルの黒字となり、黒字額は予想(111.15億豪ドル)とほぼ一致した。輸出と輸入はいずれも前月から3%減少。前月の貿易黒字は118.24億豪ドルだった。

6日
中国人民銀行(PBOC)は今月15日から、大半の市中銀行の預金準備率を0.5%ポイント引き下げると発表。景気減速への対応として、1兆2000億元の流動性を供給する事になる。これを受けて豪ドルは一時上昇した。

7日
RBAは予想通りに政策金利を0.10%に据え置いた。債券購入プログラムは週40億豪ドルのペースで少なくとも来年2月まで継続し、2月会合で再検討するとした。利上げ開始にはある程度時間がかかるとの見解を維持した一方、「オミクロン株の発生が新たな不確実要因だが、景気回復を妨げるとは予想されていない。豪経済は2022年前半にデルタ株以前の軌道に戻るだろう」と楽観的な見通しを示した。なお、これより前に発表された豪7-9月期住宅価格指数は前期比+5.0%と予想通りの結果であった。

16日
豪11月雇用統計は、失業率が4.6%に低下(予想5.0%、前回5.2%)、新規雇用者数は前月比36.61万人増(予想20.00万人増、前回5.60万人減)と良好な結果であった。労働参加率も66.1%へと急上昇した(予想65.5%、前回64.6%)。

なお、ロウRBA総裁はこれより前、2022年2月の債券購入プログラム(週40億豪ドル)見直しについて、5月終了を想定して購入をさらに縮小するプラン、2月で完全に停止するプラン、5月時点で2回目の見直しを行うプランをそれぞれ検討した事を明かした。その上で「2022年には利上げの条件は満たされない」との見解を改めて示した。

21日
RBAは7日に開いた理事会の議事録を公表。「メンバーは豪経済がデルタ株感染拡大による成長中断の後、急速に回復していると指摘した」「オミクロン株の出現は新たな不確実要因だが、回復を腰折れさせるとは予想されていない」として楽観的な見方を示した。一方で「理事会は忍耐強くある用意がある」とした上で「インフレが2-3%の目標レンジに収まるまで利上げはしない」との見通しを改めて示した。

12月の各市場

12月の日経平均、NYダウ平均

12月の上海株、豪10年債利回り

12月の豪ドル/円ポジション動向

12月の豪ドル/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

1月の豪州・中国注目イベント

1月の豪州・中国注目イベント

豪ドル/円 1月の見通し

豪中銀(RBA)の利上げについて、市場は今年(2022年)7-9月頃の開始を見込んでいるが、当のRBAは明言こそ避けているものの、2023年までは利上げの条件は整わないと見ている模様だ。こうした見通しの齟齬は通貨の変動要因になりやすく、昨年(2021年)10-12月に豪ドル/円相場が比較的大きく上下に振れる一因にもなった。

1月は豪州の夏季シーズンでRBA理事会は開催されない。このため、市場の利上げ期待にも大きな修正が入る可能性は低いと見るが、25日に発表される豪10-12月期消費者物価指数(CPI)には注意が必要だろう。RBAが重視する基調インフレ率は7-9月期に前年比+2.1%へと上昇したが、RBAは12月声明で「基調インフレ率は今後さらに上昇するが、ごく段階的な加速にとどまるだろう」とした上で、基調インフレ率が目標の中央値である2.5%に到達するのは2023年になるとの見通しを示した。10-12月期CPIが+2.2~2.3%程度の小幅な加速にとどまれば市場の利上げ期待はいくぶん後退する可能性があろう。一方、+2.5%超に加速すれば年央の利上げ期待が一段と強まる事になるだろう。どちらかと言えば、後者のインフレ加速シナリオの方に分があると思われる。

なお、RBAが重視する基調インフレ率は、CPIと合わせて発表されるCPIトリム平均値とCPI加重中央値の和を2で割ったものである。
(予想レンジ:81.000~86.500円)

神田 卓也

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。